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第2章 ■ 物流改善の考え方②『物流の位置づけと役割』

ここでは企業における物流の位置づけを考えてみたい。
現実の物流業務運営実施にあたり、物流に対して期待する役割と、
ビジネスプロセスにおける位置づけを明確にすることで、
より効果的でスピーディーな改善が可能となる。

従来、企業経営における物流の位置づけは
「営業活動の後処理」とイメージされることが多かったのではないだろうか。
これは営業部門が「売上」という明確な数値指標で活動成果を把握できるのに対し、
物流は成果を計る指標がない。
このことから「経費」という数値指標しかなかったことが原因だと考えられる。
昨今、物流企業または荷主企業の物流担当部署においても、
業務における様々な数値をとり、成果に対して賃金を支払うような賃金体系を
とっている企業も増えてきている。
しかし、その数はまだ少数であり、収集した数値に対して何をもって成果とするか、
また成果をいかに評価するかなど思考錯誤している企業が多いのが現状である。

これまで物流は
「指示されたことを正確に、安く」
という捉え方しかできす、結果として物流というプロセスに対し、
付加価値を要求しない意識が根強く定着してしまった企業も多いのではないだろうか。
その結果「結果重視の後手後手対応」に終始せざるを得なかったのが
現状ではないだろうか。

しかし、「欲しいものを欲しいとき必要なだけ」
お客様に商品・製品を提供することが重視される現状では、
「いかに仕入れ、在庫し、お客様の要望に対しスピーディーに必要量を提供できるか」
が問われるのである。
つまり物流の位置づけは「後処理部隊」で済まされなくなってきているのである。
いくら開発部門や製造部門が良い商品・製品を作り、
営業担当者が売上を稼いできても、物流部門が円滑にお客様に対して業務を
遂行できなければ信頼を失う時代なのである。
更に、前述のように昨今、企業間連携が盛んに行われていることから、
すべてのビジネスプロセスがしっかりと連携していないと、
安心して営業活動もできない状況を生み出しかねないのである。

このような状況での物流の役割は、
「生産~営業・販売活動までの各プロセスを効率的につなぐ様々な支援を行う
“後方支援部隊”」として位置づけ、機能させていくことが必要なのである。

営業と物流の関係に絞って考えてみると、
互いが業務を円滑に遂行することだけでなく
相互の情報共有と活動目的の一致が重要となる。
その問いかけは自分達の顧客は誰なのか、
自分達が提供しているサービスは何なのか、
自分達は何のために業務を遂行しているのか、
などが挙げられるだろう。
そして明確な役割分担を決定し、
運営することが利益の極大化に繋がるのである。

図③■物流の位置づけと役割