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第2章 ■ 物流改善の考え方⑤『物流業務改善の進め方』

物流業務改善の進め方 

◆改善シナリオの作成

物流改善を成功させるためには、
「最終目標の明確化」と、「目標達成に至るまでの“改善シナリオ”の構築」
が必要であろう。

実際に改善を実施するにあたり、配置する人員とかけられるコストには限りがある。
企業が利益を創出するために物流改善をするはずが、
逆にコスト増となってしまっては意味がない。

まず、改善開始時に現状を正確に把握して、
筋道だった活動を行うことが重要になる。
この道筋を決めるのが「改善シナリオ」になる。

シナリオ作成のポイントは、
「現状の正確な(数値による)把握」と、
「内製化すぺき業務」 「外注化できる業務」を
切り分ける工程をしっかりと行うことにあるだろう。
そのポイントを押さえながら作成したのが、下図の改善ステップである。

    図⑥■改善ステップ●P37

物流改善に着手する企業で、
コスト削減に一番効果的である省人化を行う企業をよくみるが、
現場を効率化する前に人を少なくしてしまうことで現場に無理が生じてしまうことも
少なくない。
まずは正しい現状把握を行いどこに問題があるかを把握する。
何にどれくらいのコストがかかっていて、
本来どれくらいの人数やコストでできるはずなのか、
を把握することが重要となる。

次に、省経費の検討である。
それらの業務を同じ品質で代替手段がないかを検討する。
配送であれば委託物流企業をより安価な契約内容で、
品質を落とさず受託できる物流企業を選定することなどが挙げられる。

次に省人化である。
現場作業を最大限まで効率化することにより、
情報システムの導入による作業の自動化・機械化を進めることができる。
 しかし、マテハンありきの改善は必ず失敗するため、
業務の分析、データ分析による業務フローの改善を事前に推進させなければならない。

次に省時間である。
物流業務を行って同様の成果や利益を、
より短時間で行えるような現場のシクミ作りを行う。
マテハンの導入や拠点の統廃合などが挙げられる。
作業する人の動きを分析し、作業動線を短くし、
―作業をできるだけ短い時間で完結できるようにする改善などもこれに当てはまる。

次に省工程である。
経費と時間を改善した結果を踏まえ、
その行程は自社で運営する必要があるのか、(メリットがあるのか)
また、商品や製品で売上が伸びておらず
生産して物流業務を発生させてしまうこと自体が
コスト増の原因となっている商品・製品はないか。
それらの工程自体を削減してしまうことを検討するのが省工程になる。

そして最後に省管理である。
現場作業を標準化することにより「誰にでもできる現場」作りを行う。
これによって、パートによるパートの管理を実践している企業もある。
そうなると自社の社員により管理コストが削減できる。
社員はより高付加価値業務へ従事することができるのである。
当然大きなコスト削減効果がある。

改善ステップを飛び越えて、次のステップへ進むことによって
現場の必要な人数やコスト以上に削減してしまうことになり、
ムリな改善活動に繋がってしまうのである。

この改善ステップを進めるにあたっては物流部署だけでは、
当然判断が難しいことや他部署との連携が重要視されるため
全社をあげた物流改善体制の構築が望まれる。
また現状の把握や改善ステップの作成には、
コンサルタントなどの第三者の意見を織り込むことで
改善精度の向上、スピードアップが図れる。