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第3章 ■ 物流改善に必要なもの①『ヒト』

「ヒト」

◆物流改善に必要な人材

物流改善に着手しようとしたときに、まず必要なものは改善を管理する人材になるであろう。
自社内で改善を進めるにしても、コンサルタントなどの外部ブレーンを使用するにしても、
改善策を決定するのは机上が多いため、これを現場に落とし込んでいくことが必要と
なってくる。
これまで論じてきたような
「目的の明確化」 「優先順位の決定」 「改善ステップ」
によって、せっかく良い改善策を講じられたとしても、
それをうまく現場に落とし込むことができなければ物流改善は成立しない。
現場で働く従業員やパートが理解した形で改善を進めることができなければ、
もし一時的に改善効果を出せたとしても、
運営能力が低ければしばらくして元の現場に戻ってしまう。

であるから、物流改善を成功させるには、
決定した改善策をしっかりと理解し、
現場に落としこめる人材が不可欠なのである。
また、改善を管理する人材には、
コンサルタントの活用する際や、
荷主など外部と連動して行うような改善の際、
社外の人間とのコミュニケーション能力も必要になる。
つまり、
「社内においての能力」
「社外に向けての能力」
持ち合わせた人材が必要となるのである。
我々が改善に携わらせてもらった企業からは、
「そのような人材は社内にはいない」と言われる経営者、プロジェクトリーダーの方が多い。
そもそも通常業務とはかけ離れた業務を行うため、
その資質を読みとるのは容易ではないのも確かである。
 そこで以下のようなポイントで人材の選出してみると、
社内に適任と思われる人材も発見できることも多い。
読者の皆さんにもお試しいただきたい。

 

「社内においての能力」
1. 説得力‥・経営陣(トップ)、他部門を説得できる
2. 人遣い…適材・適所の人員配置と指示ができる
3. 教育力…業務がわかり、実行、説明することで部下に実行させることができる
4. 対応力…緊急処理、対応において適切な処置ができる
5. 危機回避能力‥・経営上危険と思われる仕事を排除することができる
6. モラル維持力‥・モラルを維持するシクミを構築することができる

「社外に向けての能力」
1. 理解力…顧客の二-ズがわかる
2. 把握力…一連の業務の流れを理解できる
3. 交渉力…見積りができる
4. 対話力…話を聞き、話すことができる
5. 数値力…自分の仕事の原価がわかる
6. 品質保持力‥・常時同じ品質の仕事を実施できる

これらに加えて人材の基礎能力を判断することも欠かしてはならないと考える。
基礎能力を見るポイントは以下の通りである。

1. まじめさ・・・遅刻・欠勤がない
2. 基本的なしつけ・・・礼儀作法、挨拶、報告・連絡・相談ができる
3. 自己努力…業務に対する姿勢
4. 役割の自覚・責任感…重要な仕事を受け持つという認識
5. 自分の価値認識…自分の価格・価値が理解できている

これらのポイントに基づき物流改善プロジェクトの管理者の選出や、
メンバーの選出を行うことで物流改善に着手する。