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第3章 ■ 物流改善に必要なもの『④時間』

「④時間」

物流改善に必要な要素に「時間」かある。
当然だと思われる方も多いのではないだろうか。
しかし、物流改善を行うにあたって様々な視点から「時間」を認識しておくことが重要である。

物流は文字通り「物」を「流す」機関になる。
そのため企業活動をストップさせて改善を行うわけにはいかない。
業務を遂行しながら改善を進めるわけであるから慎重に進める必要があるのは
周知の通りである。
しかも、業務フローや作業手順などを改善する場合には、
急いで変更することは現場の混乱を招くだけである。
ある程度の期間(時間)を改善期間と位置づけ、遂行する必要がある。

また、物流現場では改善が終了してすぐにそのオペレーションが定着する現場は
皆無といっても良い。
特に作業が俗人化している箇所が多ければ多いほど、
そこで働く社員、パート・アルバイトにその作業フローやオペレーションが
理解、浸透することに時間がかかるからである。
改善内容の定着期も改善の一つと捉える必要があるのである。
ここに改善後の時間の重要性がある。
改善効果という意味ではすぐに改善効果を得られる改善も多数あることも事実である。
作業動線を少し変更しただけで大幅な効率化を実現できたり、
ロケーションラベルの色や字の大きさを工夫するだけで生産性を向上させたりと、
改善してすぐに効果を発揮するものが多数あるのも事実である。

作業フロー全体の見直しや、配送ルートの変更など大掛かりな改善は、
6ヶ月~12ヶ月など改善スケジュールを構成することが多いが、
6ヶ月、12ヶ月が経過しないと効果が得られないのではなく、
3ヶ月ほどで効果を発揮してくる改善項目もあるし、
改善した直後から効果を感じられる改善もある。
これら「時間」を考慮しながらスケジュール作成(下図参照)をすることによって
効率的かつ効果的な改善を遂行することができるのである。
しかし、最近では市場の変化が激しく、スピードを求められる場合が多いため、
改善期間の短縮化が図られてきているのも事実である。

 

   エクセル図⑩■スケジュール●P66.67

また、「改善1年後や2年後にまた基の姿に戻ってしまった。」
という話をよく耳にする。
これは、改善後効果の測定を怠ったことや定着化の失敗などが理由として挙げられる。
前述の通り、現場に改善効果が定着するのには時間が必要である。
定期的に効果の測定を行うことで、改善箇所が元どおりに戻ってきていないを
確認する必要がある。
「トータル物流コスト算出表」などはコストを明確化すると共に、継続的に算出することによって
その改善が現場に定着しているかを見る指標としても最適である。

定期的に一定の指標によって改善効果の測定を行うことは、
数値的に改善効果が薄まってきた箇所や、無理が生じてきている箇所を確認することができ、
早めに手を打つことを可能にするのである。
要するに物流業務の可視化も忘れてはいけない。
物流改善を行う際には、「時間」というキーワードも念頭において取り組んでいただきたい。