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第4章 ■ 物流コストダウン7つの方法『①ヒトの動きを見直すことによる作業動線の短縮』

「①ヒトの動きを見直すことによる作業動線の短縮」

物流業務改善によるコストダウンの方法を伝えるにあたり、
まず挙げられるのが現場業務の効率化である。
特に作業時間が長時間化している現場においては、
現場社員の残業手当やパート・アルバイト給与による人件費増を問題視している企業が多い。

なぜ、作業は長時間化するのであろうか。

「物流における作業の90%は受注段階で決まる」と前述したが、
これは出荷指示が出るのが遅くなったり、伝票発行が遅くなったりすることによって
作業員に「待ち」が発生している場合、受注方法とその後の作業フローに問題があると言える。
しかし、「待ち」が発生しておらず、作業量の増大と比例するように
作業時間が長時間化する現場の場合、作業員の動きにムダが生じてしまうような
商品ロケーションや、棚の配置に起因することが多い。

ここでは、商品を在庫として保管している現場での改善手法をご紹介したい。

保管されている商品が多く、作業スベースが広い現場は当然、
作業動線が長くなりやすくなる。
また、作業手順や商品の出荷頻度を考慮していないロケーション設定を
行っていることによっても作業動線は長くなる。

そこでの改善手法として、出荷頻度を考慮したロケーション設定を行うことによって
作業動線を短縮する。

まず、在庫している商品の出荷頻度ABC分析を行う。
この出荷頻度ABCランク付けにおいてどこまでをAランクとするか、
などランク付けについては各企業、拠点、取扱商品などによって変化させる必要がある。

次に出荷頻度の高いものを固めて保管する形にロケーション変更することによって、
狭い範囲、短い作業動線で一作業を完結できるようにするのである。

   図⑪■ピッキング導線●P72
「改善前」は、出荷頻度を考慮に入れないロケーションである。
ピッカーは作業中、倉庫すべてのエリアを歩くことになる。

出荷頻度のABC分析を行い、Cランク(1日1回以下の出荷頻度:約3 0%)商品を
倉庫の一方に配置することにより、通路をショートカットするピッキンクが可能となる。

結果、ピッキング歩行に要する時間が約30%削減される。
このような改善によって、出荷頻度の低いのゾーンヘ入ることが少なくなるため、
作業動線を短縮することができる。
作業動線の短縮は作業時間の短縮へ直接影響を与えるため、
現場社員の残業手当やパート・アルバイト給与などの削減への効果も大きい。

よくある問題として、我々が現場改善に携わった企業のほとんどに、
長期滞留在庫か眠っていることか多い。
この滞留在庫が出荷頻度の高い商品の間に保管されていることにより、
作業員が出荷作業を行う際、動線を長くしている可能性が高い。

なかにはこの長期滞留在庫と位置づけられる商品が保管商品全体の30%以上も存在しており、
その在庫を一掃することによって保管スベースの効率化につなげた事例もある。