「②社内物流業務の外注化(アウトソーシング)」
昨今、様々な業種でさかんに行われているのが
この物流業務の外注化(アウトソーシング)である。
一般的になりつつあるアウトソーシングであるが、
失敗事例を聞くことも少なくない。
物流業務のアウトソーシングに失敗する理由として、
業務の管理まで委託先に任せてしまい丸投げ状態となっているため
コストが明確化できていないことか挙げられる。
これによってコストダウン目的で行ったアウトソーシングが
逆にコスト増となってしまうこともあるのである。
アウトソーシングを実施するにあたり、確認しておかなければならない点を挙げさせていただく。
(1)アウトソーシング対象業務の線引き
(2)優良物流企業の選定
この2点はアウトソーシングのメリットとデメリットを考えると理解しやすい。
アウトソーシングのメリットとしては、「本業特化」である。
不得意である物流業務をプロフェッショナルに委託することによって、
自社の本業である製造や販売に注力することが可能となるのである。
また、倉庫や車両という固定費化するコストが減少するため物流コストの固定費部分を
物量や売上高に合わせて変動費化できることがメリットである。
逆にデメリットとしては、自社ノウハウの流出、
または自社にノウハウが蓄積されないという点である。
商品や製品によって物流形態は異なるはずであり、
競合他社との差別化を図れる部分が物流であることか多いのである。
その部分を他社に委託することで自社にノウハウが蓄積できないということがデメリットとなる。
そのため、アウトソーシング先の物流会社選定には指示命令系統と現場への徹底の方法や
機密保持の締結など細心の注意を払わなければならない。
これらメリット・デメリットを考慮した上で、
自社のどの業務をアウトソーシングするか決定する必要がある。
更に、業務を委託する前に自社で現場を効率化することも必要である。
非効率なままで委託すれば、業務内容は複雑化し受託先が限られてしまう場合も少なくない。
また、複雑な業務のままではコスト面でもメリットを出しにくい。
自社で先に述べた「作業動線の短縮」などを事前に改善しておくことによって、
受託先企業も増え、より優良な委託先が選定しやすくなる。
そして、アウトソーシングを検討している企業に必ずお伝えすることが
「アウトソーシングの基本的な考えとしで“管理は自社、運営は外部”とする」である。
先に述べたように、作業量や業務効率などの管理も全て委託先企業に任せてしまうと
滞在しているコストが明確化できないため、逆にコスト増となってしまう場合もあるのである。