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第137回「物流会社『コストダウン 3の鉄則』」

■前回では「売上獲得 4の鉄則」を述べたが、今回は「コストダウン 3の鉄則」
をご紹介します。

<物流会社「コストダウン 3の鉄則」>

1.車両別原価計算を行い、それに基づいた対策と業務改善に即、着手せよ
2.センター運営人員は90%パート化せよ
3.出荷別ABC分析によりロケーションを定期的に変更し、作業動線を最短にせよ

1.車両別原価計算を行い、それに基づいた対策と業務改善に即、着手せよ
車両を所有する会社にとって車両別の損益勘定は死活問題となる。前回3.で述べた通り、  売上に占める人件費の割合、そして燃料・油脂費、タイヤ、チューブ費、修理費、高速費の運行五費に先ず着手する事が重要である。

(1) 人件費…この場合ドライバーの給料が中心となるが、一部歩合制による変動費化、出来高制、業請制による残業代の削減などを行っている会社が多い。

(2) 燃料・油脂費…ドライバーの燃費走行の徹底や(拠点が数ヶ所ある場合は)購入給油所の一元化の検討が必要である。

(3) タイヤ・チューブ費…(2)と同様に運転の仕方でタイヤの消耗度合いが大きく変ってくる。運行管理者がデータをもとに口うるさく指導しなければならない。またタイヤメーカーによっても消耗度、耐久度に大きな差が出るため、自社の業務内容を加味したデータ比較が必要である。

(4) 修理費…最近、車両知識の無いドライバーが増えている。採用後、研修も無く横乗りをして数ヵ月後には現場配送となっている状態である。部品さえあれば自社で簡単に取替えらおうれるランプ変換などもすぐに近くの修理屋やディーラーに任せてしまう。また「これは修理しても良いのか」「応急手当をしてもう少し乗るのか」の「決定」を行う者がドライバー自身になっている会社も時々見受けられる。このような場合は、運行管理者や配車といったしかるべき部署と立場の人間が「許可」を出さなければならない。修理費の中には車検代も含まれるが日々のメンテナンスがこの車検代を安価に抑える。最大のコストダウンはやはり車両事故をなくすことである。運輸業界の損益計算書ではいくら多額な利益を出していても最後に「事故費」という勘定科目で引かれてしまうシクミになっている。

(5) 高速費…これは長距離を減らす事、または下道を活用して高速道路を使用しないことに  尽きるが、これはドライバーと配車の状況判断が重要となる。次の仕事が残っていたり、新たな仕事が発生した場合は、反対に帰り道、高速道路を使って帰社する事で機会損失を免れる場合もある。またETCの時間割引も長距離ドライバーが割引時間開始の深夜0:00まで周辺のパーキングで休んで待機していては集中力が切れるためかえってドライバーの過労や重大事故につながるのである。いずれにせよ“本末転倒”の無いようしっかりと状況判断をしなければならない。

これら車両別原価計算は月間をベースとしているが、次は日別、そして荷主別と展開させていく事が不可欠である。

2.センター運営人員は90%パート化せよ
物流業はサービス業であるといわれてこれも久しいが別の視点からもサービス業である事を伝えておきたい。それは社員対パート比率の問題である。コンビニエンスストアや外食チェーンなどは店長を除く全スタッフがパート、アルバイトで運営しているサービス業である。その比率は1対9。物流業もいかにパート、アルバイトを戦力化できるかで利益につながるか否かがはっきりとしてきている。前提として先述の通り、流通加工やセンター業務など彼らが活躍できる業務を受注しなければならない。これからは「パートの、パートによる、パートのための業務」と職場が物流の現場となる。
ある音楽産業の物流センターではパート300名に対し社員が2名。米国フェデラルエキスプレスでは臨時雇用者5000名に対し社員1名で運営しているという例もある。またハマキョウレックスの大須賀社長によると本社センターはパート約100名、社員が1週間不在でも運営に問題は無いという。

3.出荷別ABC分析によりロケーションを定期的に変更し、作業動線を最短にせよ
在庫型センター(DC)や保管型倉庫ではその在庫の保管、作業方法が重要となるが、その1つとしてロケーションの整備があげられる。なぜなら、入荷、出荷とそれに伴なう人員の作業の効率性に大きく左右されるからである。昨今、商品サイクルは早くなってきており、物流現場では改廃や棚番地変更などがそのスピードについていけない状況である。3ヶ月前に最も多く出荷されていたものが現在はほとんど出荷されないといった事が頻繁に発生する。このような状況下での物流会社の現場では、出荷商品の「金額」「数量」ではない「(出荷の)頻度」を集計・分析し、上位からランク付けを行う。
例えば「上位20%の出荷商品で全体の80%の商品を占めている」などと言った結果が出てくる。ABCDランク付けはアイテム数や構成比分布などで各社設定を変えるが基本的には「よく出る商品を最小限の作業動線で出荷させる」のである。商品特性にもよるが目安としては3ヶ月に1回の大きな変更が必要となり、小さな変更は随時というルール化が望ましい。

 
物流コンサルティング・コンサルタント