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第139回「大きく変った物流会社の経営」

紅葉の季節になりましたね。忙しい日々の中でもちょっとしたゆとりを持つことは大切です。窓の外の景色、山の木々に目を向けてみて、息抜きをしてみましょう。

走らない物流会社、名刺を出すドライバー、パート主体で運営される物流センター。物流会社の現場はこの10年間で大きくその姿を変えた。それは原油の高騰、人手不足、またサービス業としての物流業の価値が問われる日々の業務、デフレの中、荷主からの運賃値下げなど物流会社を長く経営している社長であればあるほど「こんな仕事ではなかったはずだが」と嘆いている昨今である。
物流業に限らず、経営は環境の変化にいち早く対応しなければ生き残りは困難である。そういった中で過去のやり方が現在は通用しなくなってしまった事が多い。むしろ、全く逆張りに転じた方が業績が好転する場合も少なくない。それらをいくつかお伝えしていきたい。

S運輸の社長「うちのドライバーはよくやってくれましてね、30年選手がほとんどなんですよ」それはちょっと違う。
それは会社の居心地が良いということであり、ドライバー自身の頑張りに関係無く、給料は下がらない給与体系と管理職に嫌われ役がいないということを示している。きびしい会社、信賞必罰がはっきりしている会社、改革・改善を実施する会社は皆、社員の定着率は良くない。社員が入れ替わる事によって更に上のレベルの社員が入ってくる枠ができる。また、彼らへの待遇面でも大きく変ってきた。

ドライバーは固定給から出来高、請負型に移行し、事務職に関してはできるだけ安い給料で忠実な社員を採用すれば得をした感を昔は持っていたが、今では優秀な人材はそれだけ給料も高い。転職情報の量が増え、自分の値段がわかるようになってきたからだ。
また、会社に貢献する社員は多くの質問と提案を投げかけてくる。一見、反抗的に見えることもあるが2〜3年もすれば忠実なイエスマンとの仕事振りは歴然と差が出てくる。現在では安かろう悪かろうではなく、優秀な人材にはそれだけの報酬を出す態勢があるかが重要である。

経常利益10%をたたき出すY社は「優秀な人材であれば現在でも年収1,000万の管理職が2名います」とその値決めに惜しみがない。
Y社は悪戦苦闘が続く同業他社を尻目に毎年120%の売上アップと快進撃を続ける。しかし、物流業における人件費はトータルではしっかりとコントロールしなければならない。

福利厚生費を含む人件費が売上の50%を超えると赤字になり、50%未満に抑えれば黒字となる。労働集約型産業としての物流業はこのように収益構造が明確である。
これは人員構成にメリハリが必要になってきた事を意味しており、平均年収350万円の正社員で構成されたセンターより、年収700万円のセンター長と時給1000円のパート、アルバイトで構成するセンターの方がプロフィットセンターとなり生産性が高くなっているのが実情である。