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第143回「高級外車と労務管理」

高級外車と労務管理にはひとつの法則が成り立つ。私が診てきた物流会社で労働組合が発足された会社の9割が社長が高級外車で出勤している。

この労働組合発足は企業内組合より外部団体組織が圧倒的に多い。なぜこのような因果関係が成り立つのであろうか。それは「会社が儲かっている」と認識され、それに対して自分たちの労働条件や給与が変らないことに対する不満が爆発するのである。他にも原因はある。

1つに管理の甘さが挙げられる。組合発足メンバーの現場上司はほとんど彼らとのコミュニケーションが不足している。十分な対話はなく、むしろ嫌われ役を避け、彼らの多少の言動には目をつむる。いわゆる管理を行っていないのである。
その他には「数字公開のミス」がある。業績数字の公開は人材育成には欠かせないことである。しかし意識レベルの高い管理職に対して、人件費は詳細ではなく大項目で公開することが前提である。
私は労働組合を否定しているわけではない。むしろ労使協調は健全経営にとって重要な要素でもある。また経営者にもベンツやジャガーに乗ることも否定している訳でもない。

時と場合、会社の状況に合わせて乗っていただければ良いことで「疑われない言動」をとっていただきたいのである。
S社のM社長、高級外車を1台所有しているが会社には乗ってこない。休日専用にしている。会社にはリースで購入した国産車を乗ってくる。理由は「社員に余計な勘ぐりをされたくないから」という。
またY社のA社長は「自分でベンツが買えるよう社員皆に頑張って働いてもらいたい」と社長自らベンツで出勤、長距離ドライバーにもベンツのトラックを与えている。
業績が黒字で社員の給料もアップすると「社長、もっといい車に乗って下さい」と言われるが業績赤字で自分たちの給料がダウンとなると「社長だけぜいたくをしている」と言われる。
モチベーションアップの材料になるかまたは不平・不満の火種になるかはトップとそれを支える管理職の日頃の言動である。

勝てば官軍。社長、見られていますよ。