Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第154回「営業」と「教育」は効率を追求できない!」

第154回「営業」と「教育」は効率を追求できない!」

現場改善を行うことが仕事となっている私はコストダウンや生産性の向上といった考え方が体に沁み込んでいる。しかし、これらの考え方だけでは課題解決が困難なテーマがある。それは「営業」と「教育」である。

「営業」では例えば名刺交換を行った月日から5年以上経つクライアントは有益でないとマーケティング理論を提言する外資系コンサルタント会社などがあるが、こればっかりはいかんともしがたい。時節の手紙、暑中見舞や年賀状、クリスマスカードなどのリスト作成においても年々増えるリストを送るべきか送らないべきかのチェックを行う必要があるが、大半の場合、1人1人のチェックは膨大な時間と手間がかかるという理由で名簿検索が容易な「月日」の新旧で線引きをしてしまうことが多い。実際は9年間、年2回の暑中見舞と年賀状を送り続けた結果、相手側は時折、当方の事を思い出してくれていた。
そうして名刺交換から9年ぶりに連絡が入り、仕事の受注に至ったという例もある。また、営業活動の面では遠方からの問い合わせや案件は優先順位を下位に設定したり、同方面についでがある際に対応するといった企業は多い。しかしながら大半の企業がこのような考えを持っているがゆえに即対応することで「わざわざ遠いところから来てもらった」という行為が受注につながることが多い。

このような2つの例は一般の会社にとっては当たり前の考え方とは対岸にある。いずれも効率性からはかけ離れた、むしろ非効率性にチャンスが見いだされている。
同様に「教育」も効率性を追求できないテーマである。新人の育成、幹部の育成には力を試すことができる機会を創ることが不可欠である。結果はどうあれ、彼らは場数を経験することで成長していく。いわゆる「教育費」として予め組み込んで対応する案件やプロジェクトなどの場面がある。

年商80億を超えるある物流会社の社長は「ドライバーから経営幹部になるまで10年かかった」と教育の継続性と人を育てるという強い意志が必要であることを語ってくれた。生産性や効率性だけでは成り立たない「遠回り」の経営テーマがあることをお忘れなく。