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第168回「やっぱりつらいよ人材育成」

関東にあるB物流会社の社長と話す機会があった。「新卒採用から手塩にかけて育てた幹部が辞めていった」と言う。
この社長は深く肩を落としていた。私はそのわけもわからないはずもなかった。新人教育、中間管理職研修、経営幹部研修そして外部セミナーというようにB社の社長は営業所が3ヶ所、従業員が30名の時代から教育に力を入れてきた。一時期は売上の4%を教育費に充てていた。
私はよく「利益率は社員の質率である」と伝える。B社社長も同様の考えを持ち、急成長とはならないかもしれないが、磐石な経営体質と高収益企業にするためには“教育”は欠かせないという自論を持っていた。

実際、自ら多くのセミナーへの参加や書籍を読みあさり、自ら講師を務めることも少なくなかった。会社は教育を受けた優秀な人材がいればそれでOKかというとそれは違う。「優秀な人材」と「忠実な人材」のバランスが必要である。
優秀な人材ばかりになってしまうと自分の実力というものに“勘違いの自信”を持ち独立していったり、
優秀な人材同士の勢力争いに負け、片方が辞めていくケースも多い。したがって潤滑油として能力はさほどないが“トップに忠実である”という安定資産を大切にしなければならない。いわゆる人員配置、人事戦略のバランスである。
また“教育”に対する勘違いがあることも見逃せない。B社社長は形式的な開催型の教育に偏ってしまっていた。

教育はトップの言動や上司からの評価、お客様からの感謝の声、そして飲み会やミーティング、個人面談、目標の公開、車両事故の朝礼での自己報告など様々な事柄がある。教育に100%はあり得ない。しかし教育の材料が日々の業務に転がっているのは間違いない。