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第206回「御社は定年「廃止」派?それとも「延長」派?」

物流業界における人材不足はますます深刻になってきている。団塊の世代の大量退職、ニート・フリーターの増加、少子高齢化、どれをとっても労働集約型産業である物流業には大きな痛手である。
しかし、これは物流業に限ったことではない。小売・スーパー、外食などでも共通の大きな課題である。ここにきて、人材を確保し、退職金の支払や延長を決めて定着率を高めていく方向にある企業と、総人件費に対して大きな割合を占める退職金制度を廃止する方向にある企業との差が明らかになってきている。

前者にはMBOを実施したワールドやイオン、後者には日本マクドナルドなどが挙げられる。物流業界でも、退職金の有無が採用の決め手となる場合も少なくない。特に40才を超えた転職者は、基本的には「これが最後の転職」と考えている人が多いため、退職金の有無は企業選択の大きな要因になっている。

いくら定年前の支払給与に付加されていると言っても、退職時にまとまったお金が手元に入らなければ、働く側から見たの「退職金」の本質から外れてしまう。いずれにせよ、退職金に代わる強い求心力がなければヒトは定着しない。
私は「ヒトの定着率向上は緊急課題」であると警笛を鳴らしたい。今まで「定着率はそれほど悪くない」と認識していた物流企業で、急速にヒトが退職し、人手不足に陥いるという会社が増えている。
これは景気低迷、求人が少ない時期にはおとなしくしていた転職予備軍が、一気に待遇や勤務条件の良い会社に動き出したからである。

彼らは、給料は当然のこと、先にも述べた通り退職金をはじめとする福利厚生、そして年間休日数などに注目している。「それなら派遣スタッフで補えば良いではないか」と思われるかもしれないが、管理職の育成・成長は会社の生命線であり、現場スタッフならともかく、将来の幹部候補はそうはいかない。
これは、経営を行うにあたって短期的視点に立つか長期的視点に立つかの違いである。経営者の魅力と会社のビジョン、そしてやりがいのある仕事と公正な人事評価で、今の苦境を打破する必要がある。