Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第208回「人事部なんていらない」

第208回「人事部なんていらない」

中小・中堅物流企業における「人事部」ほど不要なものはない。大手であれば必然と仕事が分業化され、採用・募集・待遇決定などの業務は権限の委譲を受けた「人事部」が進めていかなければならないが、それ以外の中小・中堅企業では社長もしくは社長に準ずる人物がその業務を進めなければならないと私は思っている。

このコーナーで以前にも記したことがあるが、組織がまだ醸成されていない会社では、自社に必要な人物や能力というものは、トップしかその価値判断ができない。
また、保身を図る管理職が存在する会社では、必ずといって良いほど「優秀な人材」は採用されない。なぜなら、採用した人物による混乱と下克上を恐れて安全策を採るからであり、従って「やや優秀」という人物が歓迎される傾向にある。
そういう意味では、「総務部」「管理部」という部署で「人事部」にあたる業務が行われている場合も同様である。

基本的に、サラリーマンには「人事」の本質的な業務は向いていないのである。人材を「採る」のも「育てる」のも人事の仕事であるが、規程に基づいた四角四面な運営、ルールに従った進め方や評価項目だけでは、本当に優秀な人材、特に潜在能力のある人材は採れないし、彼らのレベルアップも困難である。
一人ひとりを把握したトップ自らがこれらの業務に介入しなければ、社員の質と組織力は必ず低下する。

私はこういった意味で、会社が大きくなっても可能な限り「人事部」は作らない方が良いと思うし、
もし必要ならば、トップの考えや仕事が良く見える「社長室」でこれらの業務を進めるべきであると思っている。