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第210回「現場のスターをつくる」

物流現場における業務は地味であり、
なおかつ、あたり前の事があたり前に運営されなければならない
という宿命を持っている。
その現場が、社会的に大きくクローズアップされることも少ない。
また、この人手不足の中、
「物流」は新卒者が目を向けない不人気な業界である。
しかしながら、業務の実態は大きく異なる。
暑い真夏に冷たいドリンクが飲めるのも、
注文しておいた書籍が届くのも、
この「物流」あってのことなのである。
「縁の下の力持ち」ともよく言われるが、
この景気拡大・人手不足のなか、
このままでは物流業界が成長、
そして進化を遂げることは難しい。
一般的に、現場管理職は受け身的な発想の傾向が強く、
従業員や現場スタッフに対する保護主義の考えが強い。
今後我々は、業界の体質や考え方、
また現場で働く人たちの働きぶりを変えていかなければ、
優秀な人材には相手にされない業界として取り残されていくだろう。
そういう意味でも
「社内スター」、
「現場のスター」
を輩出していくことが求められている。
「あんな上司になりたい」、
「あの上司の下で働きたい」、
「あの人がいる職場で働きたい」
と言われる人材を育成し、
そして彼らに光を当てるということを
会社が意識的に押し進めなければならない。
「初の年収1000万プレーヤー」「最年少所長」や
「月間MVP所長」など、
決してお金の評価だけでなく、会社の枠を出て、
できれば業界も一緒になって評価をしていく必要がある。
ある物流会社では、年に1回このような大会を開き、
そこには主要荷主の社長も毎年参加している。
荷主から表彰された人は、
社内から評価されるときよりもさぞ違う味わいを持ったであろう。
また、インセンティブに関しても、
お金に執着しない方が良い場合も多い。
たとえば報奨金であれば、帰りにパチンコや飲み代に消えてしまうが、
賞状やトロフィーなどは必ず家に持ち帰る。
賞状も、できれば額縁をつけてあげると家のどこかに飾るものである。
また、そのことが子供たちや妻に見られ、仕事の理解にもつながる。

「現場のスターづくり」の秘訣は、
「人材が育つかどうか」ではなく、
「育った人材を受け入れる環境が会社にあるかどうか」
ということにかかっていると私は思う。