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第211回「パート・アルバイトに人事考課を」

今や、パート・アルバイトの戦力はなくてはならない時代になった。
パート・アルバイトの社会保険加入や有給休暇の適用が求められるなど、彼らが単純に「安価な労働力」ではなく、「社会的に産業を支えている重要な労働力」であるという認識になってきている。
しかしながら、未だ物流現場では人員数と時給設定、そして採用業務に躍起になっており、まだその戦力を活かしきれていない。

ある物流現場でパート・アルバイトに対するアンケート調査を行い、最も課題や問題点があると感じている事柄を3つ挙げてもらった。結果は「時給について」が大多数で1位であった。やっぱり「お金か」「時給を上げて欲しいんだなあ」と思いきや、アンケートの詳細を見ると、「金額の大小」ではなく、「頑張っている人とそうでない人、入社歴が浅い人と古い人など何を基準に違いがあるのかがわからない」というのである。

彼らの時給は自ずと口づてに公開されていく。その中で不公平感があると、当然のごとくモチベーションは下がる。しかし、正社員のように退職や転職、会議やミーティングなどで不平や不満を吸い上げられる機会が少ないため、そのことは顕在化されずに内に溜まってしまうから手がつけにくい。
このようにパート・アルバイトが多く在籍し、その大小を問わず戦力となっている現場では、パート・アルバイト向けの人事考課制度が必要となってくる。働きぶりを評価するのである。彼らにとって、
この制度の意味合いは大きい。

正社員であれば昇格、賞与、退職金、上司との飲みにケーションなど他でカバーされることもあるが、
パート・アルバイトには、そのようなカバーやフォローをされることが少ないからである。
「時間に遅れない」、「あいさつができる」、「仕事内容を覚える姿勢を持っている」、「周囲との協調性がある」など基本的な事柄から始まるが、これらがクリアされれば、今度はパートリーダーとして教える側に回るという前提で評価項目が設定される。
さらにここで重要なのは「自己申告」である。本人による自己申告評価と管理者による評価の間にギャップのある項目を見つけ出すことがポイントである。そのギャップは、価値観や達成感、そしてレベルによる差なので、この項目に対してしっかりと話し合う時間を設ければ、会社側との温度差はなくなる方向に行く。

パート・アルバイトを戦力化している物流会社に、「時給格差はどれくらいあるのか」を聞くと、意外にも各社少額である。時給にして50円前後であった。
このようなことから、重要なのは「あなたを観ていますよ」「あなたをこのように評価していますよ」という発信を通じてコミュニケーションを深め、意見や考えなどを吸い上げ、フィードバックを行いながら信頼関係を築いていくことである。