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第216回「大不況時代の生き残り戦略④」

このような時にあらためて確認しておくことがひとつある。それは、従業員の生活や仕事への不満が高まる中、いかにモチベーションを維持させるかである。
従業員は日々のTVニュースや新聞、ラジオで情報を得ている上、現実的に高速道路の渋滞がない、運ぶ物量が少ない、早い時間に仕事が終わるなどで景気が悪いことを実感している。こんな時こそ会社は「元気づけ」を行う必要がある。

モチベーションを上げることは難しくても、下げないようにすることはちょっとした気くばりや配慮でできる。
ある会社では、毎年行っている社員の忘年会を「経費抑制のため中止する」と言い出したが、こういう時にこそ忘年会はやるべきだと提言し、実施することになった。コストダウンについての解釈を間違えている会社が驚くほど多い。

①経費の構成比が最も高いところからメスを入れること
②ヒトに関わる手当や福利厚生費の抑制は給料カット、ボーナス削減と同様にモチベーションを大きく下げてしまうこと
③瞬間損は大丈夫、いけないのは継続損となっているコストであるということ

何でもかんでも経費削減を行うというのは、人員が多い大企業であれば僅かなことでも大きな節約・コストダウンになるが、中小企業ではそうはいかない。むしろ、働く人たちの職場環境を悪化させたり、
モチベーションを下げてしまったりすることが多い。
そういう点では、メスを入れるコストと入れないコストを明確にしておかなければ退職者が続出するなどの負の連鎖がはじまる。

元々モチベーションとは「やる気」ではなく「動機付け、きっかけ」のことを言う。「やる気づくり」は難しくても、たいそうなイベントではなく、忘年会やレクリエーション、サークル、誕生日会、カラオケ大会、従業員への手紙など、ちょっとした自然体の集まりや気くばりを企画してはどうであろう。

ある会社では、女性の事務スタッフとパートが多く働いている。ある日、休憩室に社長が花を買って置いたところ、「何か明るい気分になりますね」と声をかけてきた女性社員がいた。大不況時代でも心の貧乏は避けたいものである。