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第252回「物流の仕事を「好き」と言えるか?」

我々の会社では、コンサルティング業務の他に、物流専門の人材紹介事業(ロジキャリアバンク)と、
実務のプロの育成を目的とした「物流実務カレッジ」というビジネススクールを営んでいる。共通のテーマは物流業界における「ヒト」に焦点を当てている点である。したがって、多くの物流マンと話しをする機会がある。

物流業界において活躍していると判断できるセンター長や営業所長、また二代目、三代目経営者達は皆、何かしら「物流」におもしろみを感じている。
物流業界に就いた理由が「コンピューター業界では実績が作れなかった」、「販売の仕事は自分には向いていなかった」などの消去法で物流業界を選んだ人は総じてモチベーションが低いし、またモチベーション付けも困難なことから「活躍する人材」とまで至っていないケースが多い。
一方、最初から物流業界が好き、仕事が好きで仕方がないといった人材もまたほとんど見当たらないのである。

要するに消去法の仕事選びであれ、「親の事業を継がなければならなかった」など本人の積極的な理由なくこの業界に就いたとしても、そこからの「歩み」がおもしろみを持つことになるかそうでないかを決めるのは言うでもない。ではその「歩み」とは何か。
それはひとつに、物流の幅広さと奥深さを実感・体験したことがあるかどうか。そしてもうひとつに、机上のプランニングと現場オペレーションのギャップを認識しているか、または現場経験を持った現場主義であるかどうか。この2点が大切である。

前者は、具体的に言うと「運送」「保管」「営業所内事務」など、限定された狭義の物流に携わっていてもおもしろみは出てこない。センター運営や海外調達品に携わるなど、その幅と深さを知ると、たいていの人材は視野を広めようとし、その新しい分野の情報にアンテナを張るようになる。
また後者では、いかに物流の計画・プランニングには「絵に描いた餅」が多いことかと実感する。そのことと真っ向から向き合い、ヒトのスキルやモチベーションに大きく左右される現場運営の難しさと、
その改善が果たされたときの達成感はやった者でしかわからない。

物流が「好き」といえる人材の育成と環境づくりが必要であると同時に、これを読んでいるあなた自身が「好き」にならなければ良い経営、運営は難しいかもしれませんね。