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第260回「ダ・メ・モ・ト」

ダメでもともと。
何かやけっぱちな、また少しネガティブな印象を受ける言葉である。しかし、荷主企業と物流企業、仕事を出す側と請ける側、そんな力関係の中で「ダ・メ・モ・ト」は時に、前向きかつ勇気ある行動として映るのではないだろうか。
現行の燃料高騰、その他資源の値上がり経済の中で、漁業や物流業界はそれを値段に転化できないでいる。

食品メーカー、自動車メーカーや海運業などは値段に転化し、更にまた次の値上げを検討している。一般的に六万社弱ある物流業界では、「『値上げ』など一言でも口にすれば、それで取引がなくなってしまう」という言い分があり、恐ろしくて話もできないと暗示にかかってしまっている。これは事実であろうか。

我々のような荷主企業や物流会社を診ることの多い仕事をしていても、そんな話は一度も聞いた事がない。「物流コンペに負けて仕事がなくなった」とか「拠点の集約で物流会社が一本化された」などという話は日常茶飯事である。
しかし、値上げの打診・要請レベルで取引がなくなったという例を私は知らない。以前の燃料高騰前期の時には確かにそういうリスクが伴っていたと思われるが、今や値上がりは原油に限らず、穀物、鉄といった他の資源にまで及び、経済全体の問題となっている。

値上げが成功するか否かは原価計算表の準備や人手不足要因を組み込むこと、そして荷主企業の業績が順調か少なくとも横バイであることなどが絶対条件であるが、まずは話をして見ないと始まらない。ダ・メ・モ・トである。

もしかすると同業他社は既に申し入れを行っており、あなたの会社からの要請待ちで若干の値上げ了承を考えているかも知れない。よっぽどの大きなクレームや荷主に大きな迷惑をかけたなどのトラブルがない限り、普通は話だけは聞いてくれるものである。ましてや御社の貢献度が高ければなおさらである。