Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第263回「ホールディング制は顧客にとって迷惑である」

第263回「ホールディング制は顧客にとって迷惑である」

HD。これは○○ホールディングスの略であり、最近、多くの企業が企業統制の視点からこのHD、いわゆる持ち株会社制を導入している。HDは物流業界でも多く見られるようになった。

このHDの傘下に、従来の物流子会社やデータサービス別会社、構内作業会社、地域子会社などがぶら下がっているという構造である。しかし、これは荷主また顧客からすれば非常に迷惑な話である。なぜなら中堅企業であれば、担当者に別のサービスや他地域の対応などを依頼すると、今までは社内間で調整し、何らかの回答や対応を受けることができた。

しかし、HD制になると「今は別会社になっておりまして…」というように管轄外として対応され、顧客側の手間と負担が増えてしまうというケースがしばしば見受けられる。
超大手クラスならまだしも、中堅から大手クラスの企業がHD制を取るということは「官僚型対応」、要するに「たらい回し」を促進させることになり、窓口の一本化とは反対の動きになってしまう。
従って、顧客にとってHD制は迷惑な対応を受けることになる。

そして同時に、HD制の会社にとっては機能別、目的別に会社を整理するという体制を取ることによって「どの会社にも当てはまらないサービスや顧客」を取りこぼしてしまいかねないというリスクが生じる。野球で言う「ポテンヒット」の状態である。

物流業者は、メーカーや物販のようにサービスに明確な線引きが出来ない業態である。しかも、オーダーメイドで商品化する場合が多いことや、無形のサービスを提供していること、そして「どこにもあてはまらない」業務こそを他社や他業界から受託することが大きな利益につながっている。そういう意味では、顧客不在のHD制ブームはいかがなものであろうか。