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第265回「“ムダ”より“ムラ”取り-(1)」

トヨタ式改善をはじめ、物流現場で「改善」というと、「いかにムダがあるか」、「どのようなところに、どれだけのムダがあるか」というロジックで改善を進めていくのが王道である。
このような「ムダ」取りも、進むにつれてボトルネックの対象が徐々に顕在化してくる。そして、他部署に原因があったり、ヒトのモチベーションやスキルなど「ムラ」に起因する場合も多い。

ピッキングやラベル貼りの作業品質が均一でなかったり、デジタコを導入したのは良いがドライバーによって燃費や速度レベルが大きく違ったり、また、週や月単位での入・出庫量において大きな格差があるなど、これらの「ムラ」も改善において見逃すことのできない重要なファクターである。

「ムラ」は「ムダ」よりも性質(たち)が悪い。なぜなら「ムダ」は比較的顕在化してくることが多い、したがって「可視化」が早期にできる。
一方「ムラ」は潜在化している場合が多いことと、教育や他部署または協力会社、取引先との調整が必要になってくるなど実施すべき項目が増え、対象となる業務の範囲も広がってくる。しかし、この「ムラ」取りができないと、本当の改善・改革にはならない。それは「ムラ」の方が根が深く、時間がかかり、スタッフのメンタル面に起因してしまっていることが多いからである。

また、「ムダ」は小さな単位で再発する確率が高いが、「ムラ」は一度しっかりと抜本的な治療しておくとシクミとなって定着し、再発する確率が低い。残念ながら多くの現場ではこの「ムラ」は早い段階で「改善不可能」というレッテルを貼られ、着手されない場合が多い。

「ムダ」から「ムラ」まで踏み入れる改善、改革と「ムダ」取りだけで終わってしまう改善・改革。これは継続的かつ責任者を設置した「組織」として取り組むのか、期間限定の「プロジェクト」として位置づけられているのかで大きく分かれてしまうものである。