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第268回「“逆転の発想”という思考パターンを持つ」

逆転の発想。しばしば耳にする言葉であるが、物流業界の運営や現場改善、業務の流れや役割分担を見直す時にも必要不可欠な思考である。平たく言えば、物事を逆様にして一度考えて見ること、今まで前提としていた条件やルールを否定するところから考えて見ることである。さらに広義には、会社や現場でタブーとされてきた事柄にメスを入れるということも逆転の発想につながる。

たとえばある電機メーカーの物流センターでは、何種類ものラベルがあるため、ラベル貼りの作業に大きな手間と作業時間を取られていた。今までも自社で作業手順や人員配置の見直しを繰り返し行ってきたが、大きな作業時間の短縮には繋がらなかった。
そこで「貼る」という作業を真っ向から否定することにした。これは、何人もの現場リーダーやスタッフが集まって話し合えば良い答えが出るという類のものではなく、ひとりのひらめきにかかっている場合が多い。その結果、ひとりの責任者と我々との話し合いの末、一部のラベルを除き、ラベルの内容を段ボールケースに印刷することになった。結果、人員・作業時間とも約25%近くの削減となり、かつラベルの貼り間違いも当然なくなった。

また、ある地方の物流会社では、ドライバーではなく電気工事技術者を育成した。運送は「副」で電気工事サービスが「主」であるという社長の考えのもと、家電製品を運び、取り付け工事を行うといった一貫の業務に対応することで付加価値を創り、一人当たり、車両1台当たりの売上を増加させた。この会社では全社員の7割が電気工事免許を取得している。

現状の見直し、改善の延長線上に求めている答えがある事は稀かもしれない。むしろ入り口の「前提」や「タブー」を取り崩すことで打開策が生まれることが良くある。目の前にある課題、問題点を一度、逆様にして見てはいかがであろう。