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第270回「100年に1度」の大不況の中で」

アメリカ議会上下院では「百年に一度」が口癖になっているという。
生きている間の中で一回出会うか出会わないかという規模のこの不況に、何が起こるのか。物流業界への影響も当然ながら大きい。
まず挙げなければならないのが「物量の減少」である。輸出産業の主役であった自動車・電機関連を口火に、消費低迷の影響で外食産業や小売関連、また設備投資抑制から建設・機械関連の物量が既に減少している。

弊社クライアント先では、影響の少ない物流会社で約10%強、影響の大きな物流会社では約30%減少となっている。
今、この原稿を書いている時点で、紙・化学関連のダメージは少ないようであるが、恐らく時間の問題ではないだろうか。

このような物量の減少は、物流業界に厳しい現実を突きつけている。約6万社弱ある物流会社の生き残り合戦が起こり、市場からの撤退を余儀なくされる企業も出ている。また、会社規模の縮小により損益分岐点を下げる、要するに経費・支出の削減が必須となってきている。長期化すると言われているこの不況に対しての「備え」「蓄え」をしっかりしておくことが重要である。
しかし、一方ではこの逆境をバネに成長する会社が必ず業界を問わず出てくる。株価、賃金、土地などの価格が下がるため、財務余力のある会社、借入金としてでも資金調達が可能な会社、そして、最も重要なのは逆転の発想を持つ経営者がピンチをチャンスに変えているということである。

たとえば、貿易会社A社では日本、韓国、アメリカに拠点を持っているが、今の韓国ウォン不落により、日本人1名の給料で韓国人が2名雇えるようになったと先日メールが入った。同社では、人手のかかる業務、入力作業は韓国に集約してコストダウンを図っている。また、ある物流会社の社長は個人資産数百万円で10月の株価暴落時に株式を購入し、そして20日後に売却、利益を得たため、3年ぶりの社員忘年会と個人からの貸付に充てるという。

みんなが困っている時であるがゆえに新しいビジネスが発生することは、過去の歴史を見てもわかる。逆転の発想で今を戦うことがこれからの生き残り、勝ち残りには欠かせない。