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第279回「過去の延長線上に未来はない(1)」

読者の方には家業を引き継いだ二代目、三代目の物流会社経営者の方も多いことと思う。
これからの経営を考えていく中で、先代から教えられた帝王学や教訓は生きてくるのであろうか。私はNOだと思っている。
確かに、全てがNOだとは言わないが、これからは先代経営者も経験をしたことがない産業構造、消費動向、価値観などの急速な変化が訪れ、皆さんは皆さんなりの強い経営哲学、経営方針を確立していかなければならない。

先代経営者の時代は、日本が戦後の高度成長を遂げ、右肩上がりで経済が成長し、それに伴って売上、業績も上げていくことができたという背景があった。
また、ベビーブームがあり、人口が増え、団塊の世代が日本経済の労働力を支えた。今は全く反対の環境にあるといえるのではないだろうか。その中で、先代の働きぶりは大きな財産としながらも、これからの経営をゼロベースで考え、どのような経営を行っていくのかを自問自答し、実践していかなければならない。

たとえば、事業の対象とするエリアについて。
他のエリアにも事業所を出すのか、または縮小して高密度なエリア対応で利益を創出するのか。あるいは、攻めの経営を行うのであれば、成長の期待できない国内ではなく、韓国や中国、ロシアを中心としたグローバル戦略を採ることもひとつである。

実は、不況期に重要な経営活動というものがある。
それは「商品・サービス開発」と採用・教育などによる「人材育成・強化」である。この二つは先ほど例に挙げた「事業の対象エリアの見直し」に比べれば、ほぼ現状の体制で動くことが可能である上、すぐに取りかかることもできる。

「商品・サービス開発」について言えば、リサイクル・エコ社会に伴う回収物流やリサイクルのための解体(許可の伴わない)、クリーニング、梱包業務など、時代の変化に伴った物流サービスが挙げられる。
必要とされているこれらのサービスを産み出せば、そこにまた重要な展開がある。新しい物流サービスによって新しい荷主との関係ができ、良好な関係が作れれば、既存の物流サービスを提案することができるのである。
新しい物流サービスが新しい荷主との出会いを作り、それが営業活動へと展開していくのである。これならば景気がどうとか、グローバルがどうのという事に振り回されずに済む。

「少子化」「不況」「巣ごもり」「節約」そして「リサイクル」「エコ」「低炭素社会」などの時代を見据えた、身近にある物流サービスを考えて見てはいかがでしょうか。

 
物流コンサルティング・コンサルタント