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第283回「輸送コストの見直し方(1)」

1.輸送コストの種類
(1)貸切り、ルート配送などの輸送費
輸送費の中で大きな構成比を占めるものが地場の区域物流会社による4t車、10t車、増トン車などの中型、大型車両で拠点間を輸送する幹線運賃と2t車、3t車などの小型車で一定の輸送コースを回るルート運賃があります。
またこれらの運賃設定には月極の運賃、重量当たり運賃、個当て、商品単価当たり何%という従価運賃、その他にはドライバー派遣などによる時間当たり運賃などがあり、物量と輸送距離、荷姿と重量もしくは容積、納品件数と走行時間などによってその設定方法を物流会社と話し合い、決定しています。

(2)宅配便などの小口輸送費
通販業や小口での納品が多い企業では通称“宅配便”などと呼ばれている路線会社(特積会社とも言う)への輸送費が最も大きな構成比を占めています。
これらは一般消費者に届ける場合や代金引換が発生する場合、そして2t車などに物量がまとまらない近隣納品先、遠隔地に納品先がある場合などに多く用いられます。運賃設定は重量と輸送距離の2つの要素で作られた“タリフ”と呼ばれる年度別運賃表があり、これを基にして決定されています。
物量が多い一部の企業ではどの地域でも同じ料金と言う一律料金制を導入しているところもあります、これらの“輸送費”は人件費と並んでトータル物流コスト全体のなかで大きな構成比を占めており、大きな場合では50%以上、小さな場合でも約35%はかかっています。

(3)特性別に見た輸送費
販売にかかる輸送費はおおよそ全輸送費の80%弱を占め、引き取りや納品側運賃負担(着払いなど)が同じく5%、拠点間の移動、いわゆる横持ちと呼ばれる輸送が10%強を占めています。
また最近、注目されるようになったリサイクルや廃棄などの回収にかかるコストは3〜5%を占めており、増加していく傾向にあります。これらの特性別に見た輸送では拠点間(横持ち)輸送にかかるコストと回収にかかるコストの一部は付加価値を生んでいない物流、または未然に防ぐ事で発生させる必要のなかった後向きな物流があり、これらを見直し、改善する事で輸送費を削減することができます。

青木 正一 著

大阪府工業協会 編集発行 『商工振興』2010.12号に掲載