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第285回「輸送コストの見直し方(3)」

3.支払輸送コストの削減
次に紹介する物流コストダウンの方法は「支払輸送コストの削減」です。
この支払輸送コストの削減は最も一般的で、
どの企業でも行われている策ではないでしょうか。
費用の対象は運賃だけではなく保管料なども含むの単価交渉が一般的になります。
しかし、昨今物流企業は売上向上が見込めない中での価格競争を強いられており、
単価による物流コスト削減は限界に達している場合が多くあります。
そこでコストダウン策として考えなければならないのが、
第一に直接的な単価低減交渉ではなく、
運賃設定を自社の商品や物流体制に合わせた形に変更することによって
固定費から変動費化を行い、コストダウンを図る方法です。
代表的な運賃設定の種類は以下の通りです。
(1)車両当たり(チャーター便)
*固定費((2)〜(7)は変動費型運賃)
(2)個数当たり
(3)時間当たり
(4)件数当たり
(5)重量当たり
(6)対価運賃 
*製品単価の○%を運賃とする。
(7)料率料金 
*仕入総額の通過額に対するパーセンテージ料金で輸送費と構内作業費とを合算で
使用する場合が多い。
第二の策としてボリュームディスカウント法があります。
複数物流企業に輸送を委託している場合、
荷物が分散してしまっており取引額や強いインフラを活用できないなどの点で
物流会社にメリットが少ない場合があります。
その際、委託物流企業のうち優良物流企業—社を
幹事物流企業として一括集約することによって、
物量をまとめコストダウンを図るというものです。
この際、輸送のコースや車両サイズ、他の物流企業なども
“幹事物流企業(3PL)”が全体最適の視点で管理することによって、
より効率的な物流体制の構築を促すこともできます。
また支払輸送コストの額によって集中と分散を図らなければなりません。
年間支払輸送コストが1.5億から3億円クラスであれば
幹事物流会社を1社設け、集中させます。
4億円以上のクラスになれば、2社分散が理想です。
第三の策としては物流コンペの実施です。
昨今物流企業選定の際、導入する企業か多くなってきています。
これは、従来の見積方式とは異なり、
まず自社の物量や輸送先などの情報を開示します。
それに対してコンペティション参加企業が
1.改善提案、2.コスト(見積り)を提出してもらい選定を行うものです。
この際の注意点として、改善提案書、見積書などのフォーマットをこちらから提示し、
統一することで選定の際、判断をしやすい状態を作るということです。
また、輸送以外の業務委託をする場合などは、
コストだけでなく実際に作業が行われる現場の視察を必ず行うようにします。
現場を視察することで、その企業の業務レベルや従業員の教育体制を見ることもでき、
自社の商品や業務を預けることかできるか否かを判断する重要な材料となります。

青木 正一 著

大阪府工業協会 編集発行 『商工振興』2010.12号に掲載