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第291回「車探しは万策を打つ」

我々のコンサルティング先の約50%は中小〜大手までの物流会社である。
これはNLFの創業コンセプトに起因しているもので「荷主企業と物流企業の温度差をなくす」を実践していく上で荷主企業50%、物流会社50%の対応先構成比バランスを意識的に保っている。
その物流会社での最近のプロジェクトや実務指導で「ハッ」とさせられることの1つに“車探し”がある。要するに傭車先の確保である。この車探しが非常に淡白であり、すぐにギブアップする場面がいくつかの対応先で見られたのである。

ある荷主の物流コンペ開催に向けた提案の時であった。最終4社に絞られた物流会社からの提案内容が総じて貧弱であった。と言ってもこの4社は日本、いやアジアを代表する3PL会社達である。
ある3PL会社は自社の車両は全インフラの10%ぐらいの割合しかないため、傭車先の配送網提案が前提であり、荷主側も理解していたが、ネームバリューとその実績と反比例して配送網の構築はギブアップだと言う。ある限られたエリアであったが、パワーゲート車による配送網が作れないという。関連子会社や既存の傭車先のインフラでは無理だとのこと。
「新規の傭車先という考えはなかったのですか」という質問に対して「探す時間がありませんでした」という回答である。
確かに特殊車両ではあるがアジアを代表する3PLクラスであれば様々な手段を採って構築してもらいたいものだ。100歩譲っても“このような配送網になりますがコストは○○だけ上がります”までは提案を持ち込んでもらいたかった。説明会から1ヶ月の期間が提案日まであったというのに・・・。

最終的に結果(受注できるか否か)は別にして“こういうプロセスや方法で車を探しました”というものがなければ荷主側には「やる気(仕事を取りに来る気持ち)がない」と捉えられても仕方がないし、何と言っても別の仕事で声がかかることは皆無になってしまう。

もうひとつのある中堅物流会社では配車担当者が関西方面の車を探していた。なかなかツテがないということで物流会社を紹介して欲しいという依頼があり、あるA社を紹介した。
後日、「A社さんが対応してくれるということでありがとうございました」というお礼の連絡をもらったのであった。しかしこの業務の初日の夜、「A社さんから“この仕事はきつい、当初聞いていた業務とはかなり違う”と断りの連絡がありました」という連絡が入った。
A社でも傭車で対応していた。ここからが配車の粘りであるがこの担当者は既に困り果てている。
そこで(1)A社も傭車先で対応しているので「再度」別の会社で検討をしてもらう、(2)A社の支店が幸いにも近くにあるためその支店にあいさつに出向き、“面通し”を行って支店からも対応してもらうようお願いする、(3)そもそも自社の関西支店の○○支店長に先ず、当たることが先決である、の3つを伝えた。
(2)に関しては“車を探す=TEL連絡”では、閑散期であればともかくここ一番の時には車を確保できるわけがない。
“配車は外で成り立つ”(社外に出て実際に傭車先の現場に訪問し、依頼や相談をする。先方は顔が見える商談であるため信用が増す)ものである。この点、楽をして車を探し、数%のマージンをもらうことから脱し切れない配車マンが多いのである。
(3)についてはこの会社の大きな課題でもあるのだが、横のつながりがほとんどないため、他営業所がどんな仕事をやっているのか理解していない。
更に人とのコミュニケーションが薄いため、各営業所で自己完結の対応となってしまっていたのである。

このように車を探すことに対して諦めが早い、すぐそこに「売上引換券」が届いているのに売上に換えるための粘りや執着心、達成力が乏しいと感じたのであった。
根性論だけでは当然成り立たない。様々な手立てを考え、実行する力、むしろこちらの「万策を打つ」という力が足りないのかしれない