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第292回「輸送モードをどう選択するか」

日本では輸配送における約70%が「トラック輸送」によるものである。
中国ではその比率は約30%、残りは30%強が「船舶輸送」、約40%が「航空輸送」という割合になっている。これは道路インフラの整備が十分でないことや、鉄鉱石や原料関連の輸送ウェイトが高く、海側の沿岸整備がいち早く進められたためである。

読者の多くの方々は国内輸送に関係していると思われる。輸送モードを決める際の要因を今一度整理してみると、(1)コスト、(2)リードタイム、(3)荷姿の特徴(重量含む)に大別され、陸送、船舶、航空の方法で品を送っている。
詳細に見れば、陸送はトラック輸送と鉄道輸送に分かれ、船舶はフェリー、タンカー、RORO船、コンテナ船などに分かれる。航空は一般客と同載の場合と貨物専用機がある。

最も活用割合の高い陸送におけるトラック輸送を更に細分化すれば、a.幹線輸送、b.ルート輸送、c.小口輸送(路線便、宅配便)となる。
我々の改善現場では、しばしばb.の「ルート輸送」とc.の「小口輸送」の選択の見直しによって大きなコストダウンとなる場合がある。
これは中距離、中ロットにおける物流インフラがまだ盤石な状態にまで整備されていないからである。
特に出荷後の配送は全て路線会社や宅配会社に任せているという会社は、一度、出荷拠点の近隣にどれくらいの納品先があるかを調べてみることをおすすめする。4t車や3t車では積載率が悪くても、2t車やバンでは物量とほぼマッチするという場合が多い。

しかし問題なのは皆さんもお考えの、
1)時間指定と、2)トラックを1台成立、運営させることが可能な1日の走行距離、3)納品件数、がある。
1)の「時間指定」に関しては先ず、納品先(顧客)が本当に時間指定を求めているのか、又は“できれば”レベルか、自社の営業担当者が遅配に保険をかけているかどうかをチェックする必要がある。昔からの“取引条件”として社内で固定化させているかもしれない。
また時間指定が絶対的な条件でないことが判明すれば「交渉」を行う。但し、注意点として同業他社のリードタイム(納品時間)と劣ることにならないかがポイントである。
また商売上の取引でこちらが主導権を持っている場合や柔軟な対応をしてくれる納品先は、当然ながら“相談”してみると時間指定撤廃となることがある。
上記の内容に当てはまらないと判断した場合は、今まで通り、近隣であっても午後納品となる納品先は、無難に路線会社、宅配会社の活用となる。

2)の「1日当りの走行距離」であるが、これは自社社員、委託先のドライバーの耐久性を考慮したもので、目安としては「1日平均250km」である。実際、タクシー業界の労務管理規制において「1日250km」が厳守とされている。

3)の「納品件数」は、2)の走行距離との両方を見ながらとなるが、1日当り10件〜15件レベルである。
これは単純な「納品をしてサインをもらう」ことで1件の納品が完了することを前提にしている。営業活動や注文を受ける、また検品作業、棚までの納品作業、デパ地下や大手工場での荷卸しの待ち時間が長いなどといった場合は、5件〜10件レベルにまで納品効率が下がってしまう。従って、前者の10件〜15件を、1日に納品できるルート組みにできることが路線・宅配会社からの切り替えの第一条件となる。

次に車両購入費(リース含む)、ガソリン代、人件費、車検代などを含めた「車両別原価計算」によって、採算が合うか否かの検証をしなければならない。
こうして見ると、営業と納品を同時に行う商物一致の会社は現状にある車両を活用できるかもしれない。そうでなければ物流会社への委託(できればチャーターではなく、個建て運賃)が得策かもしれない。
いずれにしてもルート配送と路線・宅配の使い分けができているかどうかをチェックしてみよう。