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第299回「“和”のオペレーション」

2012年のロンドンオリンピックも筆者がこの原稿を書いている時点では後半戦に差し掛かり、女子レスリングで「金」メダルを2つ獲得というニュースが新聞をにぎわせている。
読者の方々も感じておられるかもしれないが、個人選手よりも団体のメダル獲得の印象が強い大会である。ちょうど中盤戦の終わりで、あるマスコミがメダルの中間集計を行っていた。
日本は、「金」メダル5個、「銀」メダル14個、「銅」メダル14個と世界のメダル獲得順位では12位であるが、メダル総数は既に前回の北京オリンピックを上回っており、世界の5位につけている。「金」メダルの多い順に並べられると下位になる日本もメダル総数となれば上位にある。

また柔道の成績不振が叫ばれているが、競泳の男女リレー、卓球女子団体の「銀」メダル、バドミントン女子ペアの同じく「銀」メダルの獲得や、チーム競技の女子バレー、サッカー男女の活躍ぶりを見ると、やはり“個”よりも“チーム”での貢献力が際立っている。これは国民性の表れなのか、中国の体操などに代表される
スペシャリスト重視の国策に対抗した4年間に築き上げられたシステムなのか明確な理由は定かではないが、後々、検証された情報が飛び交うであろう。
いずれにせよ「団体」「チーム」での成果は“和”から生み出されたものであり細かなコミュニケーションの積み上げである。それはアイ・コンタクトであったり、サインプレー、声を掛ける、意志合わせミーティング、空気を読んで自らが自分の役割を周囲にコミットすることなどが挙げられる。

これらは物流現場や(物流)会社経営でもほぼ同じことが言える。個人プレー中心の営業部隊は数字づくりに限界がくるし、決められた担当の仕事だけをやれば良いという現場は生産性が上がらない。
しかし営業、現場共に情報の共有化が図ることができ、知りたい情報や事例などの引き出しが増えることで生産性が飛躍的に上がる。
また現場目標の共有化や多能工化、マルチドライバーの育成などは他部間とのコミュニケーションによる成せる業である。
“和”や“絆”を重んじる組織はスタープレイヤーこそ出ないが安定した強さがあるし、このような組織の多くは何と言ってもトラブルや不可抗力の被害に対するディフェンス(防御)力が高いと筆者は認識している。

グローバル化が進む中、日本人の持つ“強み”と欧米、アジア各国民の特徴を活かした適材適所のオペレーションが求められているが、全てはコミュニケーションの積み上げがあっての成否である。
日本固有の“強み”がスポーツ、企業経営、物流にとどまらず世界に通用することを証明していきたいと感じさせられたオリンピックであった。