第305回「顔合せ」

顔合せ。ここでは製・商品の保管における面(つら)合せのことを表している。コストダウン、品質向上に直接的に関わることではないが、我々が常々お伝えしている「現場のショールーム化」では重要な役割を果たす。
物流関連書籍や大半のマニュアルには載せられてはいないが、製・商品の顔合せ(保管、在庫する製・商品の面を揃える)は、顧客目線に立った倉庫センターの整理状態の良し悪しを強く印象づける。
他に靴を揃える、財布のお札を揃えるといったことが挙げられるが、前者はマナーや躾につながっているが後者はその人の性格に大きく関係している。

多くの現場では後者に挙げた担当者の性格の問題として、あまり細かなところまで指示するのは如何なものかと放置されている事が多いが、“良い現場”では製・商品の面が揃っている。
それは前者に挙げた保管のマナー、現場(スタッフ)の躾として捉えているからである。整理・整頓・清掃・清潔・躾の“5S”の一環として現場に落し込まれているのである。

「顔合せ」には大きく2つの意味があると筆者は理解している。
1つは「顔合せ」は本来、面合せと書くが「現場のショールーム化」の顔であるという意味も含めて「面」を「顔」に変えた造語である。
先述にある通り、物流業にとって現場はショールームのように明るく、綺麗な状態で接客(あいさつ)しなければならないし、最大の営業マンであるという意味合いでもある。
もう1つは後片付けの意味がある。
現場では出荷するための作業を重んじるため、後片付けまでが一連の作業であることを伝えきれていない事が多い。具体的には、パレットやラックに置かれている製・商品の積み上げ(段重ね)、横並び
にて同じ製・商品の箱の角(かど)を合わせ、そして出来上がった面に沿って綺麗な直線が描かれるような状態までを指す。

この顔合せ(面合せ)に欠かせない保管の管理がある。それは元箱(もとばこ)管理である。
バラ、もしくはピース出荷の際、ケースの箱の中から必要な数だけをピッキングするが、その使用中のバラされたケース・箱を管理することである。
原則1つが元箱になるため、2つ以上のケース・箱がバラされたり、空いていると作業手順が間違っていることになる。このことがロット間違いや日付の逆転、在庫差異につながってしまうのである。
また、この元箱においてもピッキング作業中はともかく作業終了時には顔合せ(面合せ)の対象になるのであるが、これが同じ製・商品のかたまりのあちらこちらに置かれている現場が多い。これもルールとして右端から使用し、右端の角に揃えると設定しておく必要がある。

自動化、システム化が進んでも保管の基本は不変であることを忘れたくないものである。