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第311回「現場ラウンド」

現場で実際に起こっている事象を五感で把握する現場ラウンド。これは何も物流に限ったことではない。
いかなる産業においても“答えは現場にある”とか“現場主義”などと、その重要性は伝えられている。筆者も全く同感であり、こと物流業においても現場力なき運営に顧客(荷主)との継続した取引はあり得ない。
現場主義を唱えていても現場ラウンドが的を得ていなければ当事者は正しい情報を把握し、正確な判断を下せない。現場に出向いても、事務所でスタッフの話を聞くだけでは現場ラウンドにはならない。繰り返すことになるが、実際、現場(末端のスタッフが動いているところ)で起こっている事象を五感で把握することが真の現場ラウンドである。物流における現場ラウンドには大きく2つある。

1つは文字のごとく現場をひと通り巡回するという方法と、もう1つはキーポイントとなる場所を選定し、その1点(1ケ所)に止まって動いている事象を観る方法である。更に、さっと現場を巡回しただけでは現場を理解したとは言えない。タイミングと視点を考慮しなければならない。タイミングとは、現場ラウンドを行う時期、日時がその現場を象徴する重要なタイミングであることが肝要である。
また、予め確認すべき事象があれば、その目的のポイントと日時に入ることであるが、何が問題であるかを探し出すような場合は、何を観れば良いのかということと目的を決めておく必要がある。その目的として次の3点はセンター運営において欠かすことの出来ない視点(目的)である。

(1)スタッフの基本動作、(2)「6つのない」の有無(1.歩かせない、2.  持たせない、3.待たせない、4.考えさせない、5.探させない、6.書かせない)(3)スタッフの表情(例:明るくあいさつが出来ている。疲れていて不満があり   そうである。顔色が良い悪いなど)
このように“現場”と言えども、ただ出向くだけでは何の収穫もない。筆者の体験では本社、他拠点ならまだしも、現場の管理者自身が現場ラウンドを行っていない場合が多く見られる。ローコストの運営を迫られ、それどころではないというセンター長、所長が多いのも事実である。そのような場合は次のように指導し、実践してもらっている。

(1)予め、現場ラウンドの時間帯を決めておく(ついついルーティン業務や荷主     対応などでラウンドしたいと思っていても出来ないでいる現状の打破)
(2)1日2回の現場入りは最低ラインとする
(3)曜日毎に確保する時間を設定する
(4)朝礼、昼礼、終礼に必ず参加し、その前後の時間を活用するセンター長、所長の現場ラウンドが定着すると「現場(スタッフ)の緊張感が生まれる」、それと「見られている(頑張っていることを見てくれている人がいる)」という現場になり、職場環境が良くなってくるという大きな副産物が得られる。

現場管理者たる者、現場での事象把握なしに何が出来るというのであろうか。また本社、他拠点スタッフは名ばかりの「現場訪問(ラウンド)」で現場スタッフの時間と手間を取らせることは避けたいものである。