Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第312回「3つの“放し”」

第312回「3つの“放し”」

小生の仕事は様々な会社の物流に関する改革・改善・教育などを行うことを主な
生業としている。
そのために各々の企業が抱える物流以外の経営活動にも見聞を多く持つことに
なる。結果的に会社を診る目が肥えてくるのであるが、多くの企業が抱える致命
的な課題があることに気づかされる。それは継続力、執着心、定着力の欠如から
来るもので、成果報告が果たされれば経営者とその周辺幹部でさえも意識から
離れている場合が多い。
それは「言い放し」「決め放し」「やり放し」であり、執行管理とも言われてい
る内容である。
上司が部下に対して指導し、指示を出すが、それがどうなったかどうかについ
ては部下からの報告・連絡・相談任せとなっており、その習慣がない組織にお
いては上司が「あれはどうなっている」と確認を取らない限り、出したままの指
導・指示になってしまう。重傷であるのは時間を要するテーマや宿題を部下や
チームに出しておきながら、当の本人は他の重要テーマに手と心を取られて
忘れてしまっているケースである。
このような場合、下の者は「どうせ、また忘れるだろう」「手をつけても、
また放置したままになる」などと負け犬根性が生まれ、上司は狼少年扱いされ、
何を伝えても動かない組織になってしまう。
「決め放し」に関しても全く同じことである。「決めた事はやる」いう約束が守ら
れないならば「やらないことは決めない」としっかりとコミットしなければならない。
また改革や改善においても活動を行い(やる)、効果測定を行い、一定の効果が
出たと判断するやいなや、次のテーマに着手する。次のテーマに着手することは
間違いではなく、むしろ当り前の改善活動と言えるが「効果が出たと判断」して
も改善が終わる理由にはならない。テーマにもよるが末端に“浸透”するまでに
2〜3ヶ月、リバウンド(急激に改善したことによる反動)に対する“軌道修正”を
行い、「定着」するまでには6ヶ月はかかるものである。
プロジェクト担当者や改善責任者は、このプロセスまでを見届け、場合によって
は振り返り、一つのテーマを「結び」とする。結果、真のノウハウが蓄積され、組
織が正常に機能するのである。
このようにいくら時代の流れ、業界の流れが早いと言っても地に足をつけた組
織運営、マネジメントを行わなければ、いつまでたっても会社は強くならない。
P(plan)、D(do)、C(check)、A(action)の
サイクルを教えられている読者の方も多いかと思うが、最後は「言い放し」
「決め放し」「やり放し」の3つの“放し”を排除しなければ何の成果も得られない。
以上のことは定年間近になった「後は私は会社にいない」という方にお伝えしても
到底、無理な事であり、終わりなき戦いを強いられるオーナー経営者、将来のある
若手リーダー、中堅幹部の方々が中心になって変えていただきたい会社体質である。