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第313回「元請けがやらなければならないこと」

最近、元請け(物流会社)がその体を成していないと強く感じている。これは必ずしも物流会社に限らず、ベンダーの役割を果たしている卸についても同じことが言える。
本来の元請けの機能を果たしていないため、アンダー(下請け)が大きな混乱を起こしていたり、改善不良が常態化しているケースを多く見かける。では本来の元請けの機能とは何か。それは最重要機能として以下の2つがある。

1つは、「荷主(依頼主)に対して言うべき事を言い、調整しながら、妥協点を見出し、期日を区切って軌道修正を行う力」、もう1つは「アンダー(下請け)及び協力会社が間違いを犯さず、本来の生産性や売上げを授受できるような“環境づくり”を行うこと」である。前者には更に3つの課題がある。

(1)言うべき事を言うようにしているが、そのタイミングと場、そして準備しておくべき資料の不備により先方に伝わっていない。
(2)言うべき事を言おうものなら即に取引きに影響が出ると心配が先に立つパートナー型物流会社ではなく、業者型物流会社が元請けを行っている。
(3)そもそも元請けの立場とは何かを理解しておらず取引きの上に自社がかぶり、請求上の元請けとなってしまっている。本来、元請けが出来ない(調整力と担当者スキル、ノウハウが欠如している)物流会社が頭になっているという3点である。

名の知れた3PL会社であっても、受注までのプロセスではさすがと思わせるノウハウとビジュアルさが光るが、受注後の運営は現場任せとなり、全く荷主(依頼主)との調整が図れていない3PLが多いことに驚かされる。
また後者の「アンダー(下請け)及び協力会社が間違いを犯さず、本来の生産性や売上げを授受できるような“環境づくり”を行うこと」では、下請けへの丸投げが目立つ。
イレギュラー業務や条件変更などは上から下へとそのまま内容が下請けに流される。本来はこのイレギュラー業務や条件変更に対して、どのように対処するかということを(1)元請け会社が考え、(2)施策を打ち出すこと、が前提である。
それでも自社で具体的な策が出ない場合は改善の“仮説を持って”下請け会社と協議を行わなければならない。仮に“ノープラン”で協議を始めるのであれば、その時点で元請けである資格はない。

生産性を上げる、品質を維持する、向上させるという実務は下請け会社であるが、例えば、どのようにセンターのロケーションを組むべきかということに対して、荷主から収集したデータを元に(出荷頻度)ABC分析結果を準備する。また誤出荷において他のセンターにおいて行っている防御策を下請け先と共にこの現場に置き換えるとどのような方法、手順になるのかということを落し込む。他のセンターで使用している有効な掲示物を参考に作成する。朝礼、昼礼には下請け会社と共に参加し、伝達事項を徹底するなど“環境づくり”には、やるべき事柄が多くある。

「その会社の都合もある」などと言うのは逃げ口上であって、楽をしたい会社や担当者の発言である。これからの元請け会社は下請け(協力会社)に対して干渉と共同改善を行う、“一歩深入り”が出来なければならない。なぜなら荷主(依頼主)の高度かつ厳しい要求、要望に応えていかなければならないからである。

元請け会社たるもの本来の機能を果たしているか、ピンハネ会社になっていないかどうかということを今一度、振り返っていただきたいと筆者は強く願っている。