Top > メールマガジン「物流ナビゲーター」 > 第314回「荷主に訴える」

第314回「荷主に訴える」

荷主に訴える。これは荷主企業との物流業務受託において(1)継続的に取引きを行う、(2)採算を合わせる、という点では欠かせないアクションである。
「訴える」には大きく2つの活動及び行動がある。1つは改善の提案を行うこと。もう1つはイレギュラー業務や取引開始時に曖昧になっていた“ルール”を確認、見直すということである。

前者においては周知の通り、荷主企業が物流企業に求める最重要事項である。しかしながら「自分の首を絞めてしまう事になり兼ねない」ことを理由に、なかなか一歩を踏み出さないでいる物流会社が多い。また客観的に見ると業務の受注と立上げまでには注力するものの、その後は“釣った魚に餌をやらない”かのごとく(仕事を)取り放しのままにしている会社が大半である。

後者については受託産業としての物流業において「仕事をもらっている」「余計なことを言うと(取引き)を切られてしまう」と言った受身な立場から物流企業のスタンスが分かれるところであるが、利益を出している会社は、然るべき事柄を然るべきタイミングで「訴え」を行っている。それは値上げの交渉である場合も含まれるが、特にここでお伝えしたいことは、①イレギュラー業務に対する数値化と代替案による訴えの重要性、②取り決めを行っていなかった事柄に対するルール(案)の提示が荷主とのパートナーシップ構築には不可欠であるということ、である。

①の「イレギュラー業務に対する数値化と代替案による訴えの重要性」では、発生することでどれだけのコストアップになるかということを具体的な金額(概算で構わない)による提示と、その代替案、もしくは削減要請を根気強く行っていく必要がある。
また②の「取り決めを行っていなかった事柄に対するルール(案)の提示」は、①と密接な関係にあるが、「後出しジャンケン」のような要求を双方が行なっていては互いに取引きメリットが薄れてしまうか、長期の取引きを前提としての取り組みが出来ない。業務開始時における(基本)業務契約書と覚書きの締結だけで済まさずに「取引きルール確認書」において想定されるイレギュラー業務、トラブルの元になる業務を出来るだけ抽出して“事後”ではなく“事前”にルールを明確にしておくことが望ましいし、戦略的なロジスティクスと3PLの確立のためにも必要なプロセスである。
ここでの重要なポイントは、いずれも提案書、レジュメ、契約書など「書文」にて訴え、話し合いを詰めることである。

“見切り発車”業務で痛手を被っている荷主企業、物流会社には是非、ご検討をいただきたい。もう「後出しジャンケン」というやり方は限界にきていると言える。