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第321回「物流品質の向上、その前に手掛けておくこと」

物流品質の向上。このテーマはコストダウン及び作業生産性の向上、効率化と並んで現場改善の2大テーマである。しかし、改善実務になるとその取り組み方は大きく異なってくる。

生産性の向上においては①ルール決めとその実行、②ロケーションの改善など、シクミ、仕掛けが重要なポイントとなってくるが、こと品質の向上については、現場一人一人のスタッフの意識改善と徹底が重要なポイントとなる。
また“物流品質の向上”については、その前に手掛けておかなければならないことがある。それは「環境整備」である。

具体例には、あいさつの徹底、整理・整頓(2S)の徹底から始まり、照度のアップ、定物定位(置)の徹底などなど、センター・倉庫においては美化運動といっても良いほど多くの事柄がある。このことを先ず整えていかなければ、本丸の“品質の向上”に辿り着けないのが実情である。

早期に及第点を付けられる現場で3ヶ月弱、リーダークラスに徹底の甘さがある現場では6ヶ月以上かかるところもある。これらを早期に改善することが我々の仕事でもあるのだが、上記にある通り、“品質の向上”は現場の末端レベルにまで落し込みが出来なければならない。
「なぜ、ゴミを払うのか」「なぜ、あいさつが必要なのか」といった説明が出来るリーダーの存在が不可欠となる。
リーダーは現場から出てくる反発や、やらされ感に対して説得し、現場の意識を変えていかなければならない。リーダーは現場との根比べに勝たなければ品質は向上しないのである。従って、品質改善を行うと、特にリーダーの資質と能力が明確になってくるのである。生産性向上よりも総じて、品質向上の方がリーダーの影響力が大きいのである。

やらせること、やれば出来ることを体感させること、納得・理解してやること、(日々)継続する力、維持する力、同じことを言い続ける忍耐力と反復力が問われてくるのである。
これらの力を出せる人、出せない人には、それぞれの共通点がある。力を出せる人は顧客(荷主)の立場で考え、その意見を変えて現場に伝えることができ、それが一つのきっかけとなり、現場での納得、理解力が増していることが多い。
また、これらの力を出せない人は声が小さい人物が多いのである。声が小さければ本来伝わるものも伝わらない。

その他「環境整備」として挙がる事柄として、床(フロア)の清掃、パレット・オリコン・ドーリーの洗浄、タテ置きパレットの禁止などが挙げられる。これらの2S、5Sと呼ばれる事柄を各現場の状況、実態に合わせて改善していく。これらが「定着した」と判断できるには改善の状態を6ヶ月維持してようやく、リバウンドすることのない「定着した」現場となる。裏返せば習慣化しており、少々の混乱があっても元に戻す治癒力が養われている現場もあるのである。

このように品質の向上は一朝一夕では良くならない。寧ろ、その前工程にある「環境整備」が果たせれば品質(時に生産性向上も同時に果たせる業務もある)は50%改善できたと言っても良いであろう。