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第322回「輪止めの徹底」

我々は主に「生産性を上げる」ことや、「品質を改善する」というテーマを目的とするコンサルティングを行っている。最近では後者の「品質を改善する」という目的の企業への対応が多く見られる。

物流での“品質”と言ってもそれは範囲も多岐にわたるが、輸配送品質とセンター及び倉庫運営品質の2つに大別される。更にそれぞれに対して(1)作業品質、(2)運行及び保管品質、(3)環境品質、に分けることが出来るが(詳しくは月刊ロジビズ2013年1月号を参照)最近、特に輸配送品質の面で分かってきたことがある。それは“輪止め”である。

輸配送品質が良いとされる物流会社や空港や自衛隊など、安全第一主義の現場では共通して“輪止め”が徹底されている。また物流においてはオートマチック車の普及とドライバー業務の多様化から止めたはずの車両が動き出すという事柄が発生しているという背景もある。

輪止めの徹底は容易ではない。(1)装備品としての所持、(2)付け方、方法、(3)納品先、着地など見られていない(管理されていない)場所での実施、(4)自社車両だけでなく自社施設(センター・倉庫)での他社車両への実施協力、そして(5)継続性、と管理する者も当事者も中途半端では果たせないテーマである。
特に(2)の付け方、方法ではバラつきが出やすい。これと言ったルールが規定として明確になっている理由ではなく、運用する会社や機関でカスタマイズされているが、我々は作業中、一旦停止の場合は駆動車輪の右側、駐車の場合は点検作業として車両をひと回りするために左側と定めている。また付け方も斜めに嵌めるのではなく、タイヤ面に添って垂直に装着させ、ヒモは車軸に掛けるとしているが、これがまたドライバーの性格と管理者の不徹底さが顕著に表れ、実施当初はバラつきが出る。
(3)(4)(5)については、何れも徹底する意識である。残念ながら日本を代表する大手宅配会社にしても、地方や営業所長のレベルによって出来ていない状態である。

組織が大きくなり過ぎると現場に落し込む前に、先ず社内のガバナンス、コンプライアンス体制づくりから着手しなければならない。読者の方ですぐに実施を現場に指示できる立場の方は是非、このテーマをご検討いただきたい。
輸配送品質が高い会社は「輪止めの徹底」も実施出来る会社なのである。