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第324回「物流『子』会社と物流『別』会社」

国内大手、中堅の一部企業には“物流”を分社化や機能の切り離しを行ない、本社の組織
をスリム化させたり、本業集中を図る場合が多く見られる。その分社化及び切り離しには
3つのパターンがある。
(1)親会社コストと雇用の分け皿、(2)親会社物流コストダウンのための共同物流、
(3)“物流”の事業化、である。
(1)のパターンの物流子会社が最も多く、高度成長期に日本型経営とも言われる終身雇
用のシクミを背景に持つ。
(2)のパターンでは、原料、食品など、製品単価が安価なために物流コストが掛かり過
ぎ、在庫できる日数が限られているような商材で物流コストを薄めるために作られた物流
子会社で、共同配送、共同保管などを前提としている。しかし、社数は最も少ない。
(3)のパターンでは、商社、卸、問社などの中間流通企業において“物流”を事業の1
つとして位置づけ、分けているといった場合も多い。また、物流機能を分けた場合、親会
社の売上依存が比較的低く、売上の50%前後は親会社以外の荷主で構成され、自助自立
できている会社は、我々では物流『別』会社と呼んでおり、反対に売上だけではなく、人
材や物流資産(土地、建物など)までも親会社におんぶに抱っことなっている会社を、物
流『子』会社と呼んでいる。
親会社が求めているのは、当然ながら物流『別』会社であり、コストダウンへの貢献度を
問うている場合が多い。しかし、多くの企業は上記で言う物流『子』会社が多く、親会社
の頭を悩ませている。解決の方向性として最も多く挙がるのは、親会社への営業権(おお
よそ2年)を付けた他社への売却であり、時には上場に至らないクラスの物流『別』会社
でも売却対象となる場合がある。
では、物流『子』会社でなく、物流『別』会社として機能し、存続するにはどうすれば良
いか。
残念ながら会社発足後に『子』会社から『別』会社への変身を遂げた会社は皆無に等しい。
多くは発足の背景と最終到達形を明確にした親会社の一番最初のコミットメントが戦略的、
能動的物流『別』会社と成り行き的、受動的物流『子』会社とを分けてしまうのである。