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第326回「東京オリンピックと物流需要」

皆さんもご存じの通り、2020年のオリンピック、パラリンピックが東京で開催されることになりました。筆者は1964年、前回の東京オリンピックの年に生まれましたので、日頃の行いと節制がうまくいけば2回目のオリンピックを経験することになります。

さて、今回の東京オリンピック開催決定において、多くの関係者や国民が景気が良くなると思っています。詳細な都市計画や開発予定は出されていませんが、大まかな概要は発表されています。これらの内容をかき集めてみるとインフラ整備、施設開発ではリニューアル、メンテナンスが中心になっているようですが、衣、食、住とサービスの需要はかなり大きな規模になる見込み(一部の機関では経済効果3兆円との発表)です。
これに伴い物流機能の充実は大きな役割を果たすことになります。筆者が考えるオリンピックでの物流需要、ニーズをいくつか挙げてみます。

1.選手村、各競技会場に向けて食品、日用雑貨、医療品、衣料・アパレル、リネン、副資材など、それぞれのカテゴリーで一括納品を行う“納品代行”及び“共同調達物流”が必要になってくる。
2.既存の東京中心部への物流拠点の埼玉、千葉、神奈川エリアの物流拠点が不足し、(1)レンタル及び一定期間の賃貸型物流施設が必要になる。(2)既存の物流施設へ供給するためのバッファー施設が必要となり、ロジスティクスの概念が一層、重要視される。
3.物流に限らず労働集約型産業は人集め、確保が生命線となり、外国人労働者への雇用対策を再検討する必要がある。
4.先例通り、オリンピック終了後の不動産有効活用に対する建設、リニューアルの産廃・資材物流が必要となる。
5.「安全性」「確実性」そして「人手確保」などの品質に対する物流が強く求められ、それによって物流コスト(運賃、セキュリティなど)が上昇する。

また、開催前においてはインフラ整備、施設開発などのリニューアル工事などにより、幹線道路の渋滞は避けられないであろう。その期間中での納品時間の調整・見直しは事前に行っておく必要がありそうだ。
いずれにせよ、スポーツとしてのオリンピックに止まらず、世界各国に日本の物流力(ロジスティクス)を示す機会でもある。
従来の農耕型の物流ではなく“有事(今回はオリンピック)”に必要とされる狩猟型のロジスティクスを設計、組み立てることが重要になってくることに間違いない。