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第327回「勝ち馬と釣り糸」

筆者は仕事柄、多くの企業、特に物流企業に対して営業指導を行うことがしばしばある。その中で企業が明確な営業ターゲットを設定している場合と設定していない場合がある。
当然ながら前者の企業の方が営業活動の「量」と「質」は営業ターゲットを設定していない企業よりも上回る。提案書、見積書の提出件数、訪問件数、交換した名刺の数などの活動量が増え、受注件数、コンペ(ビット)での勝率、契約更新率などの質(結果)が向上するということになる。しかし、営業ターゲットを明確に設定している企業においても成果がなかなか得られないという場合も多くある。
このような企業や部署、または担当者には次のような鉄則が欠けていることが大半である。

鉄則1「勝ち馬に乗る」、鉄則2「魚がいる池に釣り糸を垂らす」である。
売上規模やエリアに対して営業ターゲットを設定していても上の2つが更にマーケティングされていなければ十分な成果を上げることは困難である。
鉄則1の「勝ち馬に乗る」というのは、同じ営業活動を行っても成長している業界、特にその業界の中でも成長している企業にアプローチすることが重要であるという意見である。
売上規模が伸びているか、せめて横ばいであれば良いが、減少、縮小傾向にある企業に対しては営業活動の労多くして結果得られずとなることが大半である。

また同様のことが鉄則2の「魚がいる池に釣り糸を垂らす」にも言える。
自社が売り込もう、提案しようと考えている商品やサービスを求めている企業がそもそもどれくらいあるのか、要するにニーズ、需要がどれくらいあるのかという事をできれば数値で抑えておくことが望ましい。
良くできた、自身のある、自社の強みとする商品、サービスであっても、それだけのニーズ、需要が無ければ営業の努力は報われない。少しでもニーズ、需要があると判明すれば対象とする①エリアの拡大②業界の展開(拡大)によってパイ(市場)を確保することはできる。

そもそも魚がいない(ニーズ、需要がない)ところで釣り糸を垂れても(営業を行っても)、極論、時間のムダである。では魚がたくさんいた場合はどうなるのか、それは釣り人(参入企業)が噂を聞きつけて集まってくるため“競争”の状態となる。
ここでは更にエサを変えたり、タイミング、場所を変えるなどの、いわゆる「差別化」を図るということになる。
従って先行者利益として早期に参入するか、または差別化できる要因を明確にして“競争”の中で戦うことになる。

先ずは営業はやっているが、なかなか成果が出ないという企業は、ターゲットの設定は勿論のこと、勝ち馬に乗る」、「魚がいる池に釣り糸を垂らす」という基本とも言えるこの2つをクリアできているのかということをご確認いただきたいと思う。