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第330回「スピード競争」

企業における事業転換、新規事業化、サービスの差別化要因などによる“スピード”
が一層、重要視されている。具体的には携帯端末のいわゆるガラケーからスマート
フォンへの急速なシフトにより、コンテンツを提供しているソフト開発各社はその
対応に必死になっている。なかにはミクシィといったSNSや一部ゲームソフトメ
ーカーはこのスピードに対応できず業績が悪化してしまっている。また通販におけ
る“当日納品”への対応に躍起になっている企業も多く見られる。
アマゾンが強力な物流力でサービスの差別化を図るなかで、それに追随する会社が
現れ、その次を追う通販企業は当日納品が当たり前のサービスになっていく傾向が
あり、これに対応しなければ劣勢となる。しかし、このリードタイムは必ずしも消
費者が強く求めているものとは限らない。消費者不在の企業間競争の一面がある。
また事業転換については、富士フィルムが急速なデジカメの普及により、医療分野
へのシフト、化粧品事業への参入など短期間で成し遂げたことは良く知られている
ことである。
更に我々のクライアント先でも既存事業とは別に通販事業を立上げる企業が多い。
通常の販路における売上拡大の限界に大きな危機感を抱いているためである。
元々、企業は「スピード」と言われることがしばしばあったが、これは組織的な社
内体制強化に軸足を置いており、最近のこれら“スピード競争”は真に企業存続の
死活問題となっている。背景としては、IT技術の普及、国内市場の縮小などは勿
論のこと、通信やエネルギーといったインフラ(産業)の構造変化、規制緩和など
も大きく起因していると見られる。
現在は、いわゆるハイテク企業のスピード競争であるが、物流業などのローテク
企業にも、この“スピードこそ生き残りの道”の対応力が求められる日も近い。