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第332回「繁忙期に実力を問う」

2013年、今年も12月に入り、多くの産業が繁忙の時期に対応することになる。物流業界においてもこの時期は1年で最大の物量に対応する企業が大半であろう。

インフラ産業でもある物流業は、この繁忙期にこそその企業の実力が問われる。多くの企業は「この時期は忙しいから・・・」と言い訳とも取れる対応を当たり前のように容認しているが、企業力向上、顧客満足向上、同業他社との差別化を図るなど、自社の実力を測る絶好の時期とも言える。具体的には以下の4点がある。
(1)荷主交渉力、(2)車両確保力、(3)品質維持力、(4)安全推進力である。いずれも繁忙期に崩壊しがちな項目であり、何かとその“忙しい”ことを出来ない理由に挙げてしまうことが多いだろう。

(1)の荷主交渉力では、年末は一種の“特需”とあって、ヒト、モノ、カネは不足がちにある。センターでの人手、輸配送でのヒトと車両は足りないのは当然のこと、業務に置いても、データ受信、受注〆切、出荷指示、伝票発行などの時間の遅れからイレギュラー業務も多発する。このようなことを含めて支払い(コスト)が増加しがちであるが、営業や窓口担当者は、この時期(11月中旬〜12月末)に“繁忙期料金”たるものを相談しているだろうか。当然、自社と荷主との取引関係、他社比較における自社の位置づけ、物量(波動)の大きさ、イレギュラー業務の度合いなどから総合的に判断しなければならないが、“相談しても無理”、“言えば切られる”と端から諦めてしまっていないだろうか。自社の話を聞く耳を持っている荷主であれば(関係にあれば)満額ではないにしろ、一部負担や実情を理解してもらい次につながるという“訴え”として価値がある。

(2)車両確保力については、“繁忙期に車が見つからない”のは当たり前のことであり、これを嘆いていては普通の物流会社のままである。要するに荷主から見れば“パートナー”ではなく“業者”なのである。近隣のPAで休憩中のドライバーに帰り荷がどうなっているか、また空きが出れば連絡を欲しいと名刺を配る会社や、この時期には支払いサイトを短くし、傭車先には翌月払いを行う会社など、忙しい時期ほど車が集まる会社がある。それは取引条件と業務内容を傭車の好む内容にしているのである。また先述の(1)の荷主交渉力とも関わるが、もらい(料金)もある程度の標準相場レベルに達していないと安価であっては傭車先も見つからない。

(3)の品質維持力、(4)安全推進力に関しても同様に、忙しいことを言い訳にしてはならない。むしろ、やり切って実力を示すことであり、踏んばらなければならない。なぜなら毎年、この時期がくることは前々から分かっていることであり、それに対策を講じていなかったのかと会社の姿勢が問われるからである。ちなみに“忙しい”の“忙”は心を亡くすと書く。

物理的にはバタバタしても何とかメンタル(精神)的には平常心を保ちたいものである。