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第334回「認定・資格に騙されない」

先日、三菱マテリアル四日市工場で爆発事故が発生した。原因は熱交換ポンプの目詰まりとのこと。8年以上、洗浄されていなかったと言われている。
この会社に限らず、大手企業の昨年における大規模工場事故は主だったもので5件以上もあり、これらは氷山の一角に過ぎないのは確かである。

筆者が問題視しているのは、三菱マテリアル四日市工場がISOを取得していることである。品質、安全基準の合格を認定しているのであれば、何を見て認定しているのかと甚だ疑問になるのである。高い取得費用と手間をかけ、社内プロジェクトを作って対応する。マニュアル化に主眼が置かれているきらいがあり、必ずしも現場を改善し、継続させる点については強制力はなく、各企業の運用に任されている。

なぜ認定を目指す企業が多いのか、それは、①認定をきっかけに社内マニュアルの整備や考えることを社内に植え付けたい。これはエクセレントである。しかし、②認定を取れば安全、品質が自ずとついてくる。これは全くの間違いである。やっかいなのが得意先が認定取得を取引の前提とする場合、多くの会社は仕方なしに取得することとなる。

見極めのポイントは2つある。1つはお金を出せば(いつかは)取得できる類、もう1つは更新の有無と有の場合でもお金を出せば通過する類。この2つは安全、品質維持が本質ではなく、認定ビジネスのお客様になってしまっているのが実態である。
本来は、(a)認定条件がやや高めに認定されており、ある程度の自助努力が必要である。(b)認定取得費用と更新料など諸費用が企業の負担にならないレベルに設定されている。
これが本物認定の前提である。個人の資格についても同様である。

例えば中小企業診断士は国家試験であり、取得費用もそうかからない、更新手続として試験がしっかりあり、民間のコンピュータースキル資格などは実務レベルと大きな差がある。教員免許は永久ライセンスである。TOEICが900点あっても戦力にならない人材も多く存在する。やはり人物本位であり、会社は現場のレベルと意識である。

デフレが長く続き、世の中への不安を抱いた多くの人は資格や認定を「保険」として取得した。しかしこれは、あくまで「保険」であって実力ではないことを再認識しておく必要がありそうだ。