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第341回「日本人技術者の海外企業流出を防げ!」

日本の産業の中でも特にスタープレイヤーとされ、国民1人当たりGDP向上に大きな貢献
を果たしているのが自動車、電機、精密機械などの産業が挙げられるが、こと電機産業に関
しては、その勢いが韓国勢に完全にシフトしてしまっている。
ソニー、パナソニック、NEC、日立、東芝、富士通などが世界シェアの一角を抑えていた、
PC、TV、携帯電話、スマートフォン分野などは、サムスン、LGをはじめとする韓国、
台湾、中国企業、もしくは資本会社にシェアを奪われてしまった。
先日も東芝の企業秘密を持った元社員が韓国企業に転籍し、それが発覚した事件は記憶に新
しいと思う。この背景に日本人技術者の週末海外アルバイト、同業他社への転職によるノウ
ハウの流出がある。
パナソニック、シャープがコア事業を失くし、事業の再編が急務となったのも正に人材の流
出に一因ありと筆者は認識している。このような事態が起こっていることを企業と国は指を
くわえて見ているのだろうか。日本人として大きな憤りを感じている。
電機業界に限らず医薬品のMR職、物流業界、その他多くの業界でも同業他社に転職するケ
ースが見られるが、これらは市場(マーケット)が国内である場合が多い。電機業界におけ
る同業他社転職では海外市場を含み、海外企業の利益をもたらすために国力が奪われてしま
うところに問題がある。高額なフィーを提示された日本人技術者とヘッドハンティング会社
のモラルが問われるし、節操がないと言わざるを得ない。しかし彼らだけに問題が当然ある
訳ではない。
自国、自社で技術者を育成する努力を怠り、出来上がっている同業他社の技術者をカネで買
おうとする考えが姑息である。
日本の国と企業はこのような轍を踏まぬようにしなければならない。日本人の持つ勤勉さ、
創造力、忍耐強さから生まれる技術力という“伝統”を簡単に海外に持っていかれては困る。
技術者に対するコンプライアンスを強化して国の財産として管理してもらいたいと思う。