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第346回「国際基準の形骸化」

先日、またもや中国で食品偽装事件が起こった。
今回は鶏肉の賞味期限切れの出荷との事で、日本国内では日本マクドナルドとファミリーマートが調達しているとマスコミは報道している(7/24現在)内部告発による発覚で上海の公安当局は早々に関係者5名を拘束している。組織ぐるみの犯行との見方を示している。
驚くべき事は別工場による外箱の詰め替えによる偽装が恒常的に行われていること、マクドナルドの品質管理者が現場視察、検査を行っていたにも関わらず、それを掻い潜って賞味期限の切れた製品を出荷させていたことである。
そして、HACCPという食品衛生に関する国際品質基準を取得していたことである。HACCP、お前もか?と嘆いてしまうほど国際基準という言葉に踊らされたり、騙されることが少なくない。品質、情報管理、会計など、広い分野に国際基準認証が存在するが、どの企業にも陥りやすい問題は「目的」と「手段」が逆転してしまうことである。

認証を受ければ基準が満たされたと勘違いしてしまう関係者は多い。重要なポイントは認証取得のプロセスと取得後の運用である。先ずプロセスとしては、企業自身が内容と必要ツール、項目をゼロから作り出したものではなく、コンサルタントが手引きしているため当事者意識と中身の理解度は低いと言える。また取得後の運用については、そもそもこの概念自体がないという企業がなんと多いことか。認証を受ける事がゴールになっているのである。本質的には、いかに基準に対して継続して運用するかに重点を置かなければならない。

従って、これらの認証基準は取得する力があるかないかを診るに限られ、数多くの企業を整理、区別するには有効であるが、決して中身が伴っているものではない。
別の見方をすれば中身が伴っていれば国際基準認証など必要ないとも言えるであろう。現にトヨタは独自のトヨタ式が国際基準になっているのである。