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第352回「台風と物流」

2週連続で台風18号、19号が週末に日本列島を襲った。特に大型でゆっくりとした速度で北上した19号は日本のほぼ全土に大きな影響を及ぼした。

今までの教訓から「警報」発表のタイミングも早めに設定されており、ライフラインの1つである鉄道も早々に「運休」の決定を下している。人的災害に対する万全な対策の表れであろう。こと企業活動における“物流”となると早期の災害対策と言っても経済活動の生命線であるから、そう簡単にはストップを掛けられないが、幸いにして日本国内の物流の70〜80%はトラック輸送によるものであるため、台風に強いとされる陸運は何とか機能させることが出来る。

一方で旅客と貨物を共同輸送する「飛行機」は最も早い時期に欠航が決まるため、それに仕向けられていた貨物は陸運に切り替えられ、また、しけや高波による「港」使用の中止も早々に決定される。この中でも陸運に仕向けられる“急ぎ”の貨物の一部を除くと港と近くの倉庫で待機となる。リードタイムよりも船舶輸送による安くつく運賃コストを優先させる貨物が対象となる。やっかいであるのは、輸入貨物によるコンテナの荷揚げ作業が進められないことである。

船舶は比較的大型船を使用するため、少々のしけ、高波には耐えられるが、大型台風となると寄港及び接岸が困難になる。仮に出来たとしても横浜、東京、名古屋、神戸、大阪などの主要港と呼ばれる港ではコンテナバースに船舶を固定化し、大型クレーンによる荷揚げ、車両への荷卸しが機械化されている割合が大きいため、強風、暴風は作業の大きな障害となってしまう。ではトラック輸送は万全かと言われるとNOと言わざるを得ない。

日本国内での道路整備は海外諸国に比べれば非常に良く整備されているのである。従って高速道路を使用する幹線輸送では強靭と言えるが、大事故による道路閉鎖のリスクがある。
また4t車〜2t車を中心に走らせる支線、販売輸送では、一般住民と同様の災害リスクがあると思ってもらった方が良いであろう。

高速道路以外での山間部の一般道路での土砂災害などで道路閉鎖はしばしば発生している。台風によるトラック輸送への影響として、(1)高速道路使用可否、(2)一般道路での土砂災害の有無、(3)輸送途中での強風によるトラックの横転事故、(4)配送、納品時における車両扉のあおり事故などがある。(3)と(4)に関してはドライバー自身の判断のもと進められるが、(1)と(2)に関しては物流会社での判断に基づくものとなる。

このようにトラック輸送比率の高い日本においても大型台風ともなれば、エンドユーザー
に届けるまでの物流にはリスクと危険が伴っている。