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第366回「温暖化と物流」

地球の温暖化が進んでいることは読者の方々もご存じのことであろうと思う。この大きな変動が及ぼす物流への影響にはどのような事柄があるだろうか。

1つに四季を感じることの度合いが少なくなり、亜熱帯化が進んでいることから、年に4回あった「季替え」(季節の切り替えとなる節目に大量の物量が動く)に動く物量が少なくなった。
2つ目に年中水分を意識することから、ニーズも広がり飲料アイテムが増加の傾向にある。
また温暖化と共に雨が急に降りだす、急に気温が上昇するといった変化でビニールの雨傘の注文が予想を上回り、梅雨の時期だけでなく通年、在庫を持っておかなければならなくなった。気温の上昇は飲料工場、倉庫での休日緊急出荷の多発と売場での欠品発生に繋がっている。

一方でゲリラ豪雨が多発しているため、イベントや工場現場などで良く使用されるブルーシートは常時、大量の在庫を抱えているという機械工具、建設資材卸のA社。またチルド(冷蔵)、冷凍車両、倉庫の温度センサー機能も急激な温度変化にダメージを受けてしまう場合があり、食の安全、品質を維持することに多大な労力が掛かっているという低温物流会社のB社。

雨の日が週末に集中すると全体の消費活動にも影響が出ることは新聞やTVニュースなどでも既に取り上げられている。この事態は通常であれば「土・日に消費活動が行われ、月曜日の出荷指示が大量に出る」が、週末の雨により「土・日に消費、購買活動が弱まるため、月曜日の出荷指示が大量に出ない」という現象。
また先述の温度管理品などはロットアウト(賞味期限切れ)となり、廃棄され、今度は廃棄業者の対応が増えると言った具合である。従って温暖化や異常気象は物流においてイレギュラー業務を増加させ、需要予測が困難になるために発注点を狂わせ、在庫過多、又は欠品を発生させてしまう。
更には温度管理への注意が今まで以上に求められ、現場スタッフは一部の空調完備施設を除き、寒暖差調整のため、コンディションを崩してしまったり、仕事が出来ても生産性が上がらないといった始末である。

何事も“急激な変化”というものはどうしても適応するのに時間を要してしまうのである。