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第369回「“歪み”を是正する時代」

筆者は1964年生まれの50歳(今年51歳)である。丁度、東京オリンピックの開催、新幹線の開通と同じ時である。
戦後の高度成長期と共に大人になり、バブル崩壊、リーマンショックなど、失われた20年と言われる時代を生きてきた。表題につけたように今は高度成長期、凄まじい勢いで経済成長を遂げた日本は様々な分野、テーマで“歪み”を産んでしまっており、向こう何年になるかは不確かであるが、これをしっかりとメンテナンスしていかなければならないと痛感するのである。

年金制度しかり、少子高齢化対策、憲法解釈に対する理解、そして先日、日本国中を震え上がらせた新幹線焼身自殺事件。この事件は新幹線安全神話を崩してしまった。東日本大震災の際、一車、一両として脱線せずに安全な停止を果たしたシステムは国内外からも大きく賞賛された。しかし、今回の件はセキュリティ面に落とし穴があったのであろうか。
利便性を高め、生産性を追求するが故に品質管理(セキュリティを含む)がないがしろにされてしまったのか。筆者は全て必然だと捉えている。今回の事について公共の機関はどうあるべきなのか。次の東京オリンピックまでには“あるべき姿”の管理体制を構築しなければならない。

世界レベルに目を向けると地球温暖化、貧困国餓死問題、テロ、IS対策と国難ではなく地球難とも言えるほど世界は多くの問題を抱えている。
湾岸戦争は1990年8月に起こっているが、25年を経てテロ、ISという“歪み”を残してしまった。

話を国内に戻そう。筆者が懸念している“歪み”の1つに老朽化対策がある。これは既存の新幹線システム、インフラを含め、建築、構造物全般において、耐震補強、多震対策などを見受けるが、「この建物(物流倉庫)は古く、○○○kg以上の重さに耐えられない可能性がある。今はかろうじて耐えているが風速○m/s、降雨量1時間当たり○○○mmでは崩壊するか、または壁面が滑落する恐れがある」といった内容をしっかりと詰め、どの機関が判断し、どこが費用を負担するのかを掘り下げる必要がある。
難儀なのは道路である。国道もあれば府道、県道、市道など管轄が分かれてしまっているから責任の所在もたらい回しである。

「事(事件・事故)が起こってから何らかの対策を打つ」という後追いのままで良いのだろうか。平和ボケの日本としては危機感を持ってリスクマネジメントを実施し、何年掛かろうとも今までの“歪み”を是正することに力を入れなければ日本に未来はないと感じるのである。