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第371回「地方卸の憂鬱」

少子高齢化、人口減少、流出による都心部集中の人口マップに地方卸は頭を痛めている。特に食品、日用雑貨などの内需型卸では既述の問題が深刻である。
そもそも卸売業及び問屋業の事業拡大は別会社を作って全く新しい分野に参入しない限り、そのパターンは限られている。

1つは川下の小売業への展開、もう1つは卸としてのエリア拡大である。
前者は従来の得意先と競合関係になる場合が多く、得意先からの反発か取引停止が発生する可能性が多い。従って多くの卸は後者の“エリア拡大”を選択する。またそれと共に取扱い品目の拡大をも模索するが、やはり“餅は餅屋”で慣れていない取扱品を強力に供給するには時間を要する。
また更に脅威というべく存在がある。それは大手財閥業の卸、又は商社の存在である。歴史的にも弱体化してしまった卸は大手の傘下に入っているケースがほとんどである。

卸の持つ“地の利”というものは新たに得ることが難しいため、弱体化した地元の中小卸を傘下に入れることが得策とされている。こうなると八方塞がりの地方卸になるのか。そうではない。
商流、物流の再構築により身軽(損益分岐点を下げる)な体制を作らざるを得ない。例えば物流拠点、出荷拠点の集約なども1つの例である。また最も有効な戦略として一般消費者に流通する「一般卸」から店舗、事業所、施設が使用する「業務用卸」へのシフトがある。納品に手間を要する(付加価値がある)が大手はこのような手間の掛かる分野には基本、参入しない。よって“手間”を武器に、強みに変換させ、ノウハウ化させることが得策である。

経営統合を行うことも生き残りの1つであるが、卸の付加価値である(1)品揃え、(2)ロット調整、(3)ファイナンス、(4)リテールサポート、(5)物流を再度、点検し“業務用卸”を模索してはいかがだろうか。