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第374回「気候変動に物流はどう立ち向かうか」

先日、茨城、宮城を襲った豪雨災害、ここにも多くの物流への課題が浮き上がった。先ず、物流事業者にとっては走行中ドライバーの安全確保がある。
また、GPS設置によるリアルタイムでの自社車両位置の確認、当てにはならないことも多いが、官公庁が発表する警報の伝達、ドアを室内から打ち破るためのハンマーの備え付けなどは必須であろう。車両にも浮上可能なエア機能などの工夫が欲しいところであるが、コスト面、通常時の車両重量面にも影響するために研究が不可欠である。
また、センターや倉庫に関しては浸水に向けた地盤改良、床改修、側溝の水はけ補修は必須になってくる。大きなうねりとしての温暖化対策では空調・保水設備は基本とされるのも時間の問題である。
また、竜巻発生を想定した場合はスタッフの安全を守るためにも保管棚・ラックの固定が不可欠である。固定では地面及び床とアンカーボルトで留めること、棚・ラック同士を上部にてアームで固定すること、これらのうち、いずれかは推し進めなければならない。今までは地震対策による地面の揺れを前提にしている点が大きかったが、気候変動では突風による上からの揺れをも想定しなければならない。

一方、荷主企業とされるメーカー、卸、小売、サービスでは物資輸送の多様化が第一義である。陸・海・空の輸送インフラを持ち、平常時と緊急時に使い分ける。
セブンホールディングスでは、ヘリコプターによる緊急輸送を実施することは既に知られているが、他社でもこの価値観に追随するところが増加するであろう。そして大手食品、医薬、日用雑貨、衣料品会社では緊急センター、いわゆるBCPとしての物流センター設置を義務化すべきである。自衛隊による物資保管では賄いきれない時代が迫っている。ただ業界によってはサプライチェーン全体を考慮し、「必要な物資を、必要なところに、必要な数だけ、いかに早く届けることが出来るか」において、メーカー主体もしくは卸売、大手小売主体とするかどうか交通整理が必要である。

もう“想定外”は許されない。何が起こっても不思議ではない時代に我々は生きている。ならば万策を講じた“人類安全物流体制”の構築が急務である。