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第381回*2016年新春号*「リードタイムの二極化」

皆様、明けましておめでとうございます。本年も当“物ナビ”をよろしくご愛顧の程、お願い申し上げます。

さて、今年第1号の物流ナビゲーションは昨年後半から政府の後追いもあり、急速に動き出している事柄をピックアップします。そのうちの1つにリードタイムの二極化が挙げられます。

戦略特区に指定されている千葉市と研究を続けていたアマゾン社がドローンによる宅配を試験導入するというもので、世界でドローンによる改正航空法を取り決めたのは日本が初めてです。これにより、官民一体となった“第三の輸配送”ドローンが特定エリアにて実用化される可能性が出てきました。
また、千葉市での試験導入が成功、実用可能となれば、他の戦略特区にも当然ながら展開されていくことになります。性能、安全性など、まだ課題が残されているものの「ホビー用」、「商業用」と区分されているところに進化、開発力の向上に期待できると筆者は捉えています。

次にリードタイムの短縮となるであろう事柄は北海道新幹線です。青函トンネルの構造上、乗客用新幹線としては4時間を切ることが困難だったようですが、貨物用新幹線を走らせる検討を行っていると日経紙で発表されました。詳細は今後の協議となりますが、従来の北海道との、フェリー&トラック、JR貨物での輸送に貨物新幹線が加われば、東京から函館、札幌へは翌日午前中納品も可能となります。
通販業界の競争力の証として、リードタイムの短縮が最重要とされ、宅配企業中心にそのインフラを構築してきましたが、“陸路”の限界を見極め、“空路”の可能性追求のステージになってきました。

一方で産業・商業物流ではチャーター又は混戦便をうまく活用できる商流交渉力による物量(ロット)と物流会社発掘力を持つ荷主企業は現状のリードタイムを何とか維持できますが、商流交渉力が弱く、小ロットでの中堅特積会社による出荷が主になる荷主企業ではリードタイム厳守よりコストを選択する方向になります。

理由の1つに中堅特積会社でのドライバー不足と拠点不足が顕著に表われており、営業窓口になる特積会社は異なるが、エリア毎の実運送会社は1社に集中するという構造が益々強くなっているためです。
北海道、東北、四国、九州エリアなどでこのような状況になっていますが、リードタイムの短縮を考えると人手不足対策の採用コストが上昇し、中継料など最終的に運ぶ特積会社の運賃が上昇し、また、繁忙期のキャパシティオーバーとなる回数が増えるなどの問題が出てきています。
従ってメーカーや大手中間流通の卸、問屋ではリードタイムの追求及び厳守が益々困難になるため、毎日配送(出荷)から曜日配送(出荷)に切り替え、ロット(物量)をまとめてチャーター、混戦便を活用するか、または同業他社との差別化要因を“物流”から“商品力”“提案力”にシフトしていくことが急務となってきます。

このように今年はリードタイムの二極化がより明確になることでしょう。