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第389回「サプライチェーンは完璧ではない」

先月の熊本地震ではトヨタをはじめ多くの大手企業や物流先進企業が出荷停止や生産停
止に追い込まれた。東日本大震災の時も同様に地震だけでなく津波、原発事故と二次災
害的要因も含まれた。
我々はこのような度重なる災害を体験し、つくづくサプライチェーンというものは貧弱
なものであると痛感するのである。元々、そういうものでもある。
以前よりBCP(事業継続計画)が盛んに叫ばれ、海岸から内陸部へ、マザーセンター
1ヶ所からバッファーセンターを加えた2拠点体制へ、などと種々の手を打ってきたが、
度重なる災害とのいたちごっこになってしまっている。
災害を想定したサプライチェーンにおける大きな課題は次の4つである。

1つ目は、“災害”を特定できないこと。多くの企業は“南海トラフ”を想定して対処して
きたが、実際に起こる災害は全く別のところで起こってしまう。
2つ目は、我々が言うサプライチェーンに対する危機管理から見ると世界同時発生の災
害は極めて稀であるため、リスクヘッジ方法を国内だけの部分最適に考えるのではなく、
世界レベルやEUレベル、アジアレベルと海外を含めた安全在庫の設定や緊急時におけ
る輸配送の手配(配車)を行う必要がある。
3つ目は、航空(Air)&ドローンの活用により、陸・海より空の活用資源に力を入
れ、多様化を図る。大きなポテンシャルが残されている。
そして4つ目には、集中と分散、特に拠点集約やサプライヤーの集約によってコストセ
ーブを担う際、“集まっている”こと事態が大きなリスクであることを頭に入れておくこ
とが肝要である。

このようにグローバル化、TPPなど世界レベルでサプライチェーンの見直しが不可欠
である。ただ、話は元に戻るが“何をリスクとして想定しているかに対して”プロジェク
トチームはよく話し合わなければならない。